交通・デジタルインフラ省、トラックの買い替え支援プログラム開始

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年01月26日

ドイツ交通・デジタルインフラ省(BMVI)は1月11日、トラックの買い替え支援プログラムの開始を発表した。旧型トラックを廃車にして新型トラックを購入した場合、最大1万5,000ユーロを助成する。同省によると、道路交通の二酸化炭素(CO2)排出量の約4分の1がトラックによるもの。本プログラムを通じてトラックからCO2排出を抑えることを目指す。

プログラムは2020年11月に行われた「協同アクション・モビリティー」第4回会議(自動車会議)での決定に基づいて策定された(2020年11月25日記事参照)。この会議での商用車の買い替え支援に関する決定は、(1)トラック買い替え支援策と、(2)消防車など公共部門の買い替え策に分かれるが、今回のプログラムは(1)を具体化したもの。同省によると、(2)は3月までに具体的なプログラムを公表する予定。

今回のプログラムの助成対象は、(1)トラック買い替え、(2)トラック用新技術導入に分かれる。(1)は、旧型トラック〔EU排ガス規制ユーロ0、I、II、III、IV、V、省エネ車(EEV)〕を廃車にし、新型トラック(EU排ガス規制ユーロⅥまたは電気・燃料電池駆動)の新車を購入した場合、最大1万5,000ユーロを助成する。購入するトラックは、a.車両区分N2(中型貨物車)またはN3(大型貨物車)クラスであること、b.車両総重量が7.5トン以上であること、c.巻き込み事故防止システムを有することが条件となる。

(2)のトラック新技術導入の助成は、購入する新型トラックに搭載されることが条件で、新技術はタイヤ圧自動計測、トレーラー部分のデジタル操作機能、空気抵抗を低減するためのエアロパーツなど。助成額は最大5,000ユーロで、購入価格の6割が上限となる。(1)(2)とも助成の申請期限は4月15日で、申請方法は連邦輸送庁(BAG)にオンライン申請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますする。

連邦政府は2019年に発表した「気候保護プログラム2030」の中で、2030年までにトラックなど重量物輸送の約3分の1を電気などの動力にすることを目標に掲げる(2020年11月19日記事参照)。アンドレアス・ショイヤー交通・デジタルインフラ相は今回のプログラムの目的について「商用車のCO2排出を継続的に削減し、雇用を維持し、経済にインパクトを与えること」としている。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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