非常事態期間を2月末まで延長、高リスク5県からの移動を制限

(タイ)

バンコク発

2021年01月07日

タイ政府は1月5日の閣議で、2005年非常事態令に基づく措置の適用を1カ月半延長し、2月28日までとすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これまで非常事態令に基づき発出した措置や布告の効力を2月28日まで延長する。閣議は今回の判断に当たり、新型コロナウイルスが欧州をはじめ世界各国で流行しており、世界保健機関(WHO)が全世界で感染状況の深刻化を予測していることや、タイでも新規感染が拡大していることに鑑み、非常事態宣言を延長することが妥当と判断した。

タイ政府は翌6日、非常事態令第9条に基づく新たな措置(決定第17号)を公表した。同日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示し、7日から発効した。新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)が「最高管理区域」として定めた28都県のうち、サムットサコーン県、チョンブリ県、ラヨーン県、チャンタブリ県、トラット県の計5県が規制対象となる。規制の要点は以下のとおり。

  1. 5県内における感染拡大防止策の強化:マスク着用と検温の徹底。個人の行動履歴などが特定できるアプリ(モーチャナ、注)のインストールを要請。多数の検問所を設置するなど感染予防対策を厳格化。
  2. 5県内における移動制限の強化:多数の検問所で消毒など厳格な予防策を実施し、5県内から外へ移動する場合は、身分証明書と正当な移動の理由を示した証明書を担当官に提示する。
  3. 外国人労働者の移動を禁止し、罰則を厳格に適用するとともに監視を強化する。

(注)モーチャナとは、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触したユーザーの追跡や医療従事者間の感染防止を目的に、2020年4月に開発されたアプリ。GPSの情報から個人の行動履歴特定することができる。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー、北見創)

(タイ)

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