英国ベトナムFTA、1月1日から暫定適用開始

(ベトナム、英国、EU)

アジア大洋州課

2021年01月06日

ベトナム商工省は12月31日、英国ベトナム自由貿易協定(UKVFTA)について、1月1日から暫定適用(注1)を開始する手続きが完了したと発表した。EUとベトナムの間では2020年8月1日にEUベトナム自由貿易協定(EVFTA)が発効しているが、英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う移行期間の終了によるベトナムと英国間のFTAの不在は避けられた。UKVFTAは12月11日に最終妥結し、12月29日に正式署名されていた。

UKVFTA協定の本文第2項では、「付属書および議定書を含む本協定の規定に従い、英国への適用が停止される直前に有効なEVFTAの規定に必要な変更を加えて本協定に取り込み、本協定の一部とする(ただし、幾つかの条項を除く)」とされ、UKVFTAはEVFTAの内容を原則として継承した内容となっている。例えば、関税の削減・撤廃はEVFTAのスケジュールが引き継がれる。また、原産地規則では、EUとの累積の規定が置かれた(注2)。

商工省によると、ベトナムにとって英国は欧州で3番目、世界で9番目に大きな輸出市場だ。2020年のベトナムと英国間の貿易額は約55億5,000万ドルで、うち、ベトナムからの輸出が約48億8,000万ドル、ベトナムへの輸入が約6億6,000万ドルとなっている。

(注1)協定本文第9条2項で、他の日時に合意する場合を除き、本協定は、(1)両国が国内の法的手続きが完了したことの通知を受領した日から2カ月目の初日、または(2)EVFTAの英国への適用が停止される日のいずれか遅い時点で発効するとしている。しかし、同3項では、協定が発効するまでの間、両国は書面による通知を交換することで暫定的に本協定を適用することができるとしている。協定のテキストは、ベトナム商工会議所WTOセンターのホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(注2)ただし、累積を適用する国の間で本協定を確実に実施するための行政協力を取り決める必要がある。

(北嶋誠士)

(ベトナム、英国、EU)

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