米アパレル大手VFコーポレーション、香港の本社機能を移転へ

(香港)

香港発

2021年01月19日

米国アパレル大手で、「Vans」「The North Face」「Timberland」などの著名ブランドを展開するVFコーポレーションは1月11日、香港に置くブランドオペレーションセンターおよびサプライチェーンハブを、それぞれ上海、シンガポールへ移転すると発表した。また、マレーシアのクアラルンプールに、新たにバックオフィス業務などを手掛けるサービスセンターを設立する。いずれも、2021年4月以降、1~1年半をかけて実施する。

今回の移転は、アジア太平洋地域における投資を強化し、より消費者視点を踏まえた事業を展開していくことを目的としている。同社は、上海へのブランドオペレーションセンター移転により、中国消費者の動向把握を強化することが可能になるほか、シンガポールへのサプライチェーンハブの移転により、欧州と米国を含めたグローバルサプライチェーンネットワークへの統合が可能になるとしている。

その他、核となるサプライヤーとのより緊密な連携や事業効率向上のため、人材や資源の再配置も行うほか、東京と上海に新しくシニアマネジメントを置く予定。

同社は香港において、「Vans」22店舗、「The North Face」15店舗、「Timberland」21店舗、「Dickies」4店舗(いずれも各ブランドウェブサイトよりジェトロ調べ。直営店、販売店を含む)などを展開中だ。アジア本社機能が各国へ分散することにより、香港には小売り拠点としての機能のみが残ることになる。

写真 香港島にあるショッピングセンター内の「Vans」店舗(ジェトロ撮影)

香港島にあるショッピングセンター内の「Vans」店舗(ジェトロ撮影)

(渕田裕介)

(香港)

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