2020年の貿易総額は前年比9.1％減

タイ商務省は、1月19日付で同国の2020年の貿易統計を公表した。タイの2020年（1～12月）の貿易総額は前年比9.1％減の4,384億6,000万ドル、輸出総額は6.0％減の2,314億6,800万ドル、輸入総額は12.4％減の2,069億9,200万ドルだった（添付資料表1参照）。貿易収支は244億7,700万ドルの黒字で、黒字幅は前年から2.4倍に増えた。

国・地域別にみると、主な輸出先では、米国が前年比9.6％増の343億4,400万ドル、中国が2.0％増の297億5,400万ドルと増加した（添付資料表2参照）。一方、両国以外はASEANが11.7％減の554億7,000万ドル、日本が6.7％減の228億7,600万ドル、欧州（注）が12.1％減の207億600万ドルと減少が目立った。輸入では、構成比で24％を占める中国が0.8％減の498億5,300万ドルとほぼ横ばいで、ほかの主要輸入先であるASEANは12.2％減の393億6,800万ドル、日本は16.6％減の276億8,000万ドル、欧州は17.3％減の172億7,800万ドルと2桁減が目立った。

品目別にみると、主な輸出品目である自動車・同部品は、前年比22.2％減の212億6,700万ドルと大幅に減少した（添付資料表3、表4参照）。他方、テレワーク需要などに伴い、コンピュータ・同部品が2.3％増の186億6,900万ドルと伸びたほか、新型コロナウイルスの影響により金の売買が活発化したため、宝石・宝飾品も16.0％増の182億700万ドルとなった。主な輸入品目では、機械・同部品が13.4％減の181億1,800万ドルと縮小し、原油も3～5月に価格が下落したことから20.0％減の169億5,500万ドルに減少した。

（注）クロアチアを除くEU26カ国および英国。

（北見創）