米ジョージア州の連邦上院選決選投票、民主党候補2人が勝利確実に

(米国)

アトランタ発

2021年01月07日

米国ジョージア州の2議席をめぐる連邦上院議員選挙の決選投票(注)が1月5日に行われ、主要メディアは翌6日、民主党候補のラファエル・ウォーノック氏とジョン・オソフ氏が、それぞれ共和党候補で現職のケリー・ロフラー氏とデビッド・パーデュー氏に勝利したと報じた。接戦を展開し、ウォーノック氏は1.6ポイント差、オソフ氏は0.8ポイント差(米東部時間午後7時時点、開票率99%)での勝利となっている。

ウォーノック氏とオソフ氏の勝利により、上院の議席数は民主党、共和党ともに50議席となるが、採決で可否同数の際には上院議長を兼務する副大統領が投票権限を持つため、次期副大統領のカマラ・ハリス氏(民主党)が就任する1月20日以降は、民主党が上院で実質的には過半数を握ることになる。過半数を占める下院に加え、上院でも民主党が議会をコントロールできる。

ジョージア州の連邦上院選で民主党候補が勝利するのは1996年以来で、最後に民主党が2議席とも占めていた時期は1992年までさかのぼる。民主党候補が州都アトランタをはじめ、オーガスタやコロンバス、サバンナといった有権者の多い大都市圏で得票数を伸ばしたことが勝利につながった。ウォーノック氏はジョージア州でアフリカ系米国人としては初の連邦上院議員に、33歳のオソフ氏は次期大統領に就任するジョー・バイデン氏が1973年に30歳で連邦上院議員に選出されて以来、最も若い民主党選出の連邦上院議員となる。

バイデン氏も自身のツイッターで、両氏に電話で勝利を祝福したことを投稿し、「ジョージア州の投票者は、われわれが直面する危機に対する行動を今すぐに求めているとの強いメッセージを届けた」と発信した。ハリス氏も「歴史が作られた。われわれはともに米国民に安心を与え、世界に向けて米国の倫理的なリーダーシップを回復することができる」と両氏の勝利を祝福している。

(注)ジョージア州は今回の選挙で2議席が改選対象になった唯一の州。うち1議席はジョニー・アイザクソン氏(共和党)が任期を2年残して引退したことを受けた補欠選挙(特別選挙)、ケリー・ロフラー氏は現職。

(石田励示)

(米国)

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