2020年10~12月の失業率は16年ぶりの高水準に

(香港)

香港発

2021年01月22日

香港政府統計処は1月19日、2020年10~12月の失業率(季節調整済み、速報値)が、9~11月より0.3%上昇し、16年ぶりの高水準となる6.6%を記録したと発表した(添付資料図参照)。

業種別にみると、小売・宿泊・飲食業などの個人消費や観光客の減少の影響を受けやすいセクターが9~11月から0.5ポイント悪化して10.6%となり、中でも飲食業は13.8%と悪化が顕著になっている。

政府労働・福祉局の羅致光局長は「新型コロナウイルス感染拡大第4波(注)が香港住民の消費者心理の重しとなって経済活動を阻害する中、労働市場は、短期的には強い圧力に直面することになる」「政府は影響が大きいセクターに的を絞ってさらなる支援策を打ち出したところであり、状況を引き続き注視する」とコメントした。

香港中文大学国際貿易・中国企業プログラム共同ディレクターの李兆波氏は「失業率が6.6%に上昇したことは想定の範囲内だが、感染拡大第4波の最悪の事態はまだ十分に反映されていない。集会や店内飲食の制限によって観光・飲食業が引き続き影響を受ける中、昨年11月から今年2月まで(クリスマス・新年・旧正月)の恩恵を受けられないことによる打撃は非常に大きい。全体的な失業率は7%台に上昇する可能性があるが、2003年にSARSの影響で記録した8.5%のピークには達しないだろう」と述べた(「信報」1月20日)。

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、7月中旬以降の域内感染拡大を「第3波」と呼んでいる。現在は「第4波」が到来しているとされる。

(野原哲也)

(香港)

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