英国・アフリカ投資会議で「新型コロナ禍」からの復興と投資機会を議論

(英国、アフリカ)

ロンドン発

2021年01月29日

英国の国際通商省(DIT)は1月20日、アフリカへの投資拡大を議論する「アフリカ投資会議」を開催した。アフリカ各国首脳十数人を含め多数の政財界関係者を招き、2020年1月20日にロンドンで開催された「英国アフリカ投資サミット」から1年を迎えたことを踏まえて開催され、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大を受けオンラインで行われた。

英国のボリス・ジョンソン首相は冒頭のビデオ演説で、「昨年のサミット開催以来、英国のEU離脱や新型コロナ感染症との闘いなど、多くの変化があった。しかし、英国がアフリカの最も重要な投資パートナーになるという私の熱意は、全く変わっていない」と強調。加えて、英国とアフリカは、より良い、迅速かつ環境に配慮した「新型コロナ禍」からの復興という共通課題に向け、直ちに協力して取り組む必要があると続けた。

オープニング・セッションの後は、分野別に4つのセッションを開催。「持続可能で強靭(きょうじん)なインフラ開発における英国とアフリカの協力」「英国の能力活用によるアフリカのアグリ・ビジネスと食品サプライチェーンの強化」「復興の原動力としての金融・専門サービス」「アフリカにおける再生可能エネルギーなど『ジャスト・トランジション』の推進」をテーマに、英国とアフリカの金融機関や事業会社の幹部、国際機関の専門家らが、英国の強みを生かしたアフリカの開発を展望した。

最終セッションでは、アフリカ開発銀行(AfDB)のアキンウミ・アデシナ総裁をゲストに迎え、アフリカの「新型コロナ禍」からの復興について、英国政府のエマ・ウェイド=スミス・アフリカ通商代表と対談。総裁は、今後のアフリカの成長には、特に保健部門への投資が必要だ、と強調。また、2021年1月1日に運用開始が宣言されたアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)(2020年1月7日記事参照)が投資家の好機になると述べ、アフリカへの投資拡大を呼び掛けた。

会議当日には、英国政府系開発金融のCDCグループが、アフリカの金融、インフラ、気候変動対策、サービス、製造、農業、不動産、技術などの部門を支援するため、2021年内に10億ドルを超える投資を実行すると公表。アフリカ向け海外直接投資(FDI)は、2020年に前年比3割程度減少したと推計される中、同グループはアフリカの「新型コロナ禍」からの復興に重点を置き、アフリカにおける英国の存在感の維持・拡大に大きな役割を果たしている。

会議での議論の様子は、英国政府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて無料オンデマンド配信中。

(アダオラ・キング)

(英国、アフリカ)

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