BOI、医療・介護分野で新たな投資恩典

(タイ)

バンコク発

2021年01月28日

タイ投資員会(BOI)は1月13日、新たな投資恩典にかかる布告Sor.1/2564PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。高齢化社会に備え、高齢者向け病院や介護サービス事業に対する税制上の優遇措置を付与する。また、タイにおけるヘルスケア分野の競争力を高め、医療ハブとしてのタイの地位を強化するため、臨床研究分野にも同様の税務恩典を提供する(添付資料参照)。ジェトロが1月25日にBOIにヒアリングしたところ、既にこれら恩典にかかる申請は受け付けを開始しているという。

(1)高齢者向け病院・介護サービスに対する優遇

BOIはこれまで、(一般的な)病院、タイの伝統医療サービス、また医療機器の搬送サービスなど医療分野の事業者に恩典を付与してきた。この度、新たな恩典対象事業として、「高齢者向け病院」(5年間の法人税免除)および「高齢者および要介護者向けサービスセンター」(3年間の法人税免除)を追加した。

上記布告によれば、これら事業で、BOIに恩典申請する事業者は、50床以上のベッドを有することが条件。また、BOIから恩典を承認されたとしても、これら事業を開始する前に、別途関連省庁から、医療施設運営にかかるライセンスを取得しなければならない。さらに、「高齢者および要介護者向けサービスセンター」については、BOI奨励後も事業者の登録資本金の51%以上はタイ資本である点に注意が必要だ。

(2)臨床研究に対する優遇

BOIは臨床研究分野に対する恩典として、今回新たに「委託研究機関(Contract Research Organization:CRO)」(8年間の法人税免除)および「臨床研究センター(Clinical Research Center:CRC)」(8年間の法人税免除)を追加した。上記布告によれば、臨床研究の実務にかかる主要な役職については、タイ人を雇用することが条件となっている。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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