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新型コロナの影響が輸出型企業を直撃、ジェトロが在フィリピン日系企業調査

(フィリピン)

マニラ発

2021年01月26日

ジェトロが在フィリピン日系企業を対象に行った調査によると、新型コロナウイルスの影響で2020年の営業利益で赤字を見込む企業の割合が34.9%となり、前年の11.3%から急増、特に輸出志向型企業への影響が大きいことがわかった。「2020年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると、調査時点(2020年8~9月)で、輸出比率が50%未満の内販型の企業の赤字が19.5%(前回から9.5ポイント減)に対し、輸出比率50%以上の輸出型企業は32.7ポイント減の44.1%となっており、輸出型企業の落ち込みが大きいことがわかった。フィリピンは、経済特区庁(PEZA)などが実施する輸出志向型企業を対象とした税制優遇措置などを背景に、日系企業では輸出志向型の企業の割合が大きい。実際に、フィリピンは売上高に占める輸出の比率の平均が60.5%と、調査実施国の中ではラオス(66.9%)、バングラデシュ(66.0%)に次いで高い結果となっている。

営業利益が悪化する要因については「輸出低迷による売り上げ減少」とする回答が60%と最も多く、輸出低迷が背景にあるとみられる。フィリピンでは2020年3月中旬から、新型コロナウイルス感染防止を目的とした強力な移動と経済活動の制限措置を実施。輸出型の日系企業の多くが集積するマニラ首都圏やカラバルゾン地方に、強力な強化されたコミュニティー隔離措置(ECQ)が課された4月から5月にかけて、工場の操業を停止した企業の事例もみられた。

感染拡大後にビジネス活動が正常化する時期について、過半数の在フィリピン日系企業が少なくとも今後半年から1年以上の時間を要すると見込んでいる。フィリピンでは、回復の見込み時期を「2021年後半」とした企業の割合が38.5%で、アジア・オセアニア地域20カ国で最多となった。「2022年以降」の15.4%、「ビジネス活動が正常化する見通しは立たない」の3.1%と合わせると、57.0%に上った。フィリピンでは2020年3月中旬から長期間の隔離措置の実施にもかかわらず、ジェトロの調査実施時期に近い7月下旬から9月上旬にかけて、新規感染者数が東南アジア最多を記録した。一方で、ドゥテルテ大統領の支持率に目を向けると、感染防止対策の実行を背景に、9月中旬の世論調査では91%まで上昇し、目下の経済状況悪化よりも感染拡大防止を優先する姿勢に世論の支持が集まったといえる。そうした状況もあって、経済活動の再開について、進出日系企業に悲観的な見方が高まったとみられる。調査に回答した日系企業からは、ロックダウンによる工場停止や物流の停滞・コストの上昇などを問題視する声がみられていた。

ビジネス正常化の見通しが不透明なことなどから、今後1~2年に「事業を拡大する」と回答した企業の割合は34.1%と、前年度の51.8%から大きく減少している。また、48.9%の企業が事業戦略やビジネスモデル見直しを行うと回答し、特に販売戦略を見直す動きが相対的に多い。例えば、日系自動車各社はオンライン店舗やバーチャルショールームを相次ぎ開設し、デジタルマーケティングを強化する動きがみられた。

(吉田暁彦)

(フィリピン)

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