今後1年の業績、在香港米国企業の半数は慎重にみつつも楽観視

(香港)

香港発

2021年01月15日

在香港米国商工会議所(AmCham)は1月11日、会員企業向けに実施したアンケート「2021 Hong Kong Business Outlook Survey」(注)の結果を発表した。

過去1年間の香港のビジネス環境は不安定

過去1年間の香港のビジネス環境に対する全体的な評価については、61%が「不安定/悪化」と回答し(添付資料表1参照)、多くの企業がその要因として、抗議活動、国家安全維持法、新型コロナウイルスの感染拡大を挙げた。

今後1年間はビジネス環境が不安定も、業績は楽観視

今後1年間の香港のビジネス環境に対する見通しについては、40%が「不安定/悪化」、37%が「変化なし」とする一方、23%は「非常に良い」もしくは「良い」と回答した(添付資料表2参照)。

今後1年間の自社の業績については、半数が「慎重に見つつも楽観的」と回答した(添付資料表3参照)。「非常に楽観的」とする回答と合わせると58%に及ぶ。

今後3年間は現状維持が多数派

もし香港拠点が地域統括本部ならば、今後3年間はその機能を維持するかとの質問については、40%が「維持する」と回答しつつも(添付資料表4参照)、中長期的には拠点の縮小化を視野に入れているとする企業もあった。そのほか、21%が「未定」、また4%が「移転を検討中」と回答した。

また、今後3年の香港でのビジネスプランについては、48%が「現状維持」とする一方、中国やアジア市場の拡大に伴い、事業を拡大する企業も23%あった(添付資料表5参照)。

今後1年間、香港でビジネスを行う際の一番の懸念点は、「米国-香港-中国関係」とする回答が最も多く(65.4%)、次いで「政治体制」(49%)、「政策」(40.8%)となった。

また、2021年に投資などを拡大したいマーケットとしては、中国(37%)、ベトナム(27%)、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(26%)、インド(26%)、日本(17%)が上位に挙げられた。

アンケート結果の原文は、AmChamのウェブサイト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(注)実施期間は2020年12月11日~2021年1月4日。回答率15%(会員総数1,400)。

(渕田裕介)

(香港)

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