交通・デジタルインフラ省、自動運転関連の研究プロジェクトを助成

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年01月05日

ドイツ交通・デジタルインフラ省(BMVI)は2020年12月17日、支援を決めた自動運転、ネットワーク化関連の研究プロジェクト3件が具体的活動を開始するのを機に、これらプロジェクトを紹介し、総額900万ユーロの助成外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行うことを明らかにした。

今回、紹介されたプロジェクトのうち、「SAVe NoW」は、高度に自動化された走行機能を早期に、かつ経済的に試験するためのシミュレーションモデルの構築を目指すもの。仮想のテストコースでの試験走行によって、開発に向けた方向性の事前評価が可能となる。本プロジェクトはアウディがとりまとめ役となり、ミュンヘン工科大学やフラウンホーファー研究所などの研究機関、自動車部品コンティネンタルの子会社のコンチ・テミック・マイクロエレクトロニクス、3Dマッピングソリューションズ(走行用高精度地図作成)など合計12社・機関が参加する。

プロジェクト「ARCAIDA」は、フラウンホーファー研究所が交通事故の原因や経緯についてドローンなどを使い分析、得られたデータを用いて、類似した状況で運転手などに対し事故を事前警告する仕組みの開発を目指す。プロジェクト「HeLios」は都市部の乗用車削減のため、自動運転可能な電動牽引車の開発を目指す。都市部での移動が多い物流業者、庭師、技術者、移動型店舗などが活用することを想定する。自動車エンジニアリング会社IAVがプロジェクトのとりまとめ役となっている。

BMVIは2020年1月から、「自動運転とネットワーク化による将来性のあるモビリティシステム」という支援プログラムを実施している。自動運転、ネットワーク化関連のプロジェクトを選定してきた、実用化が近い研究プロジェクトで、モビリティ間ネットワーク、新しいモビリティ構想、自動運転のテスト走行などをテーマとする研究プログラムが助成対象となる。

これら3件のプロジェクトは、2020年4月までに公募された第2弾の選定で選ばれ、実際にプロジェクト開始となったもの。第2弾の選定全体では、総額8,000万ユーロの支援が決まっている。なお、第1弾の選定は2020年1月に始まり、合計14のプロジェクトが選ばれ、総額6,200万ユーロの助成が決定している。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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