外貨不足に対応し、外貨貯蓄口座の開設が可能に

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年01月25日

ジェトロは、エチオピア中央銀行が2020年11月19日付で発行した外貨貯蓄口座の開設指令(Directive No. FXD/68/2020PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))を入手した。これまで外貨口座を開設できるのは、輸出者や海外送金を受領する企業などに限られていた。今回の指令で、国内外のエチオピア人ならびに国内居住の外国人が、貯蓄目的の外貨口座を開けるようになった(注)。中央銀行は、外貨貯蓄口座の開設を認めることで国内に外貨を呼び込み、慢性的な外貨不足の解消の一助にしたい考えだ。

指令によると、口座開設時の最低振込額は50ドルで、夫婦など共同名義での開設も可能だ。ムスリムにも配慮し、利子がつかない貯蓄口座も選択できる。利子付きの場合、利率は外貨で計算されるが、払い出し時には内貨となる。預金金利は、最低でもロンドン銀行間取引金利に4ポイント加えたものとし、必要に応じて中央銀行が見直す。開設可能な通貨は、ドル、英国ポンド、ユーロの3種類で、日本円は振込受付通貨には含まれるが、当日の為替レートで口座開設が可能な3通貨に換算される。

外貨での引き出しは、口座残高の範囲内に限られ、家族の教育、医療、海外渡航に際してのみとなる。そのほか、デビットカードで口座残高の10%まで引き出しが可能とされているほか、外貨残高を内貨での融資申請時の担保にできる。

(注)対象には、エチオピアに出自を持ち、現在は外国の国籍を持つ在外エチオピア人を含む。

(関隆夫)

(エチオピア)

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