新型コロナ変異種拡大を警戒、夜間外出禁止へ

(オランダ)

アムステルダム発

2021年01月25日

オランダ政府は1月21日、感染力がより強いとされる英国型の新型コロナウイルス変異種の発生などを受け、感染拡大防止の追加措置として、1月23日から夜間外出禁止を導入すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同措置の実施をめぐっては、外出禁止の開始時間などで与野党に意見の相違があったが、午後9時から翌日午前4時30分までとすることで21日に下院で可決された。同措置は2月10日午前4時30分までの予定。

夜間外出禁止措置はオランダ全土で実施するが、以下については例外となる。

  • 非常事態の場合。
  • 自分自身や支援を必要とする者などが緊急に(医療の)支援が必要な場合。
  • 雇用主が業務のために外出することを要求する場合。
  • 海外へ渡航する場合、もしくはオランダへ帰国する場合。
  • 葬儀のために外出し、それを証明できる場合。
  • 裁判官や検察官からの召喚、もしくは、異議申し立てや上訴審に関連して外出し、それを証明できる場合。
  • リードを付けた犬を散歩する場合。ただし1人で行うこと。

なお、夜間に外出が必要な場合には「自己申告書」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを所持する必要がある。さらに、業務で外出が必要な場合には、「雇用主のステートメント」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも提示しなければならない。

入国者には、出発直前の検査の陰性証明書の提示を義務付け

政府が1月20日に発表した追加措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、新型コロナウイルスの変異種が発生し、感染拡大している英国や南アフリカ共和国、中南米の国とのフライトの禁止、EU域外からの渡航者に対する入国禁止の例外リスト(ビジネスを目的とした渡航者など)の一時停止、在宅勤務の強い再要請、自主隔離措置の順守徹底、自宅への訪問者を1日1人までに減らすことなどを発表した。さらに、ハイリスク地域(現時点で日本は含まず)から飛行機または船舶でオランダへ入国する者に対しては、従来の入国前72時間以内のPCR検査の陰性証明書に加え、搭乗前4時間以内の迅速検査(抗原検査またはLAMP法検査)の陰性証明書の提示を求める措置も発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。迅速検査は出発地の空港や港周辺で必ずしも実施できるわけではないため、二重の検査を義務付けることにより、オランダを訪れる渡航者数の減少につながることが期待されている。

(高橋由篤)

(オランダ)

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