チェコ政府と産業界、EU・英国間の通商・協力協定合意を歓迎

(チェコ、英国)

プラハ発

2021年01月08日

英国のEU離脱(ブレグジット)後の移行期間終了の目前に、EUと英国が通商・協力協定に12月24日に合意したこと(2020年12月25日記事同日付記事参照)を受け、チェコのアンドレイ・バビシュ首相は翌25日にツイッターで、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官に感謝の意を述べるとともに、協定合意は通商に関わる人や、一般人にとっても素晴らしいニュースだとして歓迎した。

12月29日付のチェコ通信によると、トマーシュ・ペトシーチェック外相は同日、チェコが公式に協定承認を提出したことを明らかにし、協定合意は不透明な状況にピリオドを打つ意味で非常に重要だと強調した。一方で、エラスムス計画(EUにおける学生の流動化の促進を目指すプログラム)から英国が離脱することには遺憾の念を表明した。

チェコ国内最大の企業団体である産業連盟は12月24日、通商・協力協定の合意を歓迎する声明をウェブサイト上で発表し、「EU・英国間の通商関係における大規模な障害、あるいは商品の供給制限が回避されたこと、そして何よりも、不透明な時期が終了したことは、企業にとって非常に良いニュース」と表明した。同時に、連盟は関税が発生しなくても通関手続きが必要となる点や、特に植物検疫あるいは各種認証・標準の認定手続きがより煩雑となる点を注意喚起している。「その結果、チェコの対英輸出価格が引き上げられる可能性が高いが、協定はこうしたマイナス影響を最低限に抑制するための条件を提示しており、協定実施の過程で状況は改善されると思われる」と声明を結んでいる。

チェコでは、内閣府がブレグジット専用ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを立ち上げており、最新情報の発信のほか、輸出業者用ホットラインも設置している。産業貿易省も12月30日、ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます上で協定内容の解説を発信、商品・サービスの貿易、エネルギー部門などに分けて詳細な情報を提供している。

(中川圭子)

(チェコ、英国)

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