新型コロナワクチン接種開始、市民は経済・社会の回復に期待
(ミャンマー)
ヤンゴン発
2021年01月29日
ミャンマーでは、インド政府が寄贈した新型コロナウイルス感染症ワクチン150万回分(75万人分)の接種が1月27日に始まった。ワクチンは医療従事者に最優先で接種される。接種の現場を視察したアウンサンスーチー国家最高顧問は「国民全員が接種できるほどのワクチンが届いているわけではない。感染者数は減少しているが、引き続きその減少に努める必要がある」と国民に注意を促した。保健・スポーツ省は、インドから購入した「コビシールド」ワクチン3,000万回分(1,500万人分)の一部の200万回分は2月上旬に到着予定と発表している。現地紙「ミラー」は「市民は今回のワクチン接種により今後の経済、社会の回復に期待している」と伝えた。
ミャンマーでは2月1日、前年11月に実施した総選挙後の初の国会が召集され、正副大統領の選出と、新大統領による組閣や地方政府の首長指名など重要な政治日程が予定されている。政府は、全国から首都ネピドーに集まる連邦議員に感染確認検査を行ってワクチンも接種するなど、新型コロナウイルス対策を徹底しながら、新政権発足に向け着実に準備を進めている。
感染は落ち着き
保健・スポーツ省によると、1月27日までの新型コロナウイルス感染者数は累計13万8,802人、回復者数は12万3,170人、死亡者数3,089人、総検体数232万3,094人となっている。12月19日以降、全国の1日当たり感染者数は1,000人を割り込む日が続いており、1月27日は434人だった。ヤンゴン管区では1月22日以降、1日当たり100人を切り、25~26日は50人台になるなど、感染状況は落ち着きをみせ始めている。ヤンゴン管区は引き続き自宅待機措置制限下にあるものの、12月から閉鎖されていたヤンゴン市内の公園は、1月中旬から午前のみ開園が許可されている。レストランなどの飲食店では店内飲食の提供が引き続きできない状況で、経営者は早期の自宅待機措置解除に期待している。
(山岡寛和、クントゥーレイン)
(ミャンマー)
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