感染レベルの引き上げを決定、ただし小売店の営業は維持

(チェコ)

プラハ発

2020年12月17日

チェコ政府は12月14日、感染状況悪化(2020年12月15日記事参照)の長期化に伴い、評価システム(2020年11月18日記事参照)に基づく感染レベルを、12月18日よりレベル3から再びレベル4に引き上げることを決定した。

今回は、小売り・サービスの営業は例外的にレベル3の条件のまま維持されるが、その他の点に関しては、以下のとおりレベル4の感染拡大防止策が適用される。

(1)移動制限

  • 午後11時から翌日午前5時までの間、一部例外を除き、夜間外出禁止
  • 上記時間帯外においても、通勤、生活必需品確保のための移動など例外を除き、自由な移動禁止
  • 雇用者に対しては可能な限り在宅勤務を要請

(2)集会制限

  • 公共の場での集会人数の上限を6人に限定(ただし同一世帯を除く)

(3)営業制限

  • 飲食店の営業禁止(ただし夜間外出禁止時間以外のテークアウトの営業は可)
  • 宿泊施設は一部例外を除き、営業禁止
  • 見本市、コンベンションなどの開催、博物館・美術館、屋内スポーツ施設、プールなどの営業禁止

アルコール飲料に関しては、公共の場での飲酒禁止が再び導入される。なお現在既に施行されている飲食店テークアウト窓口での飲料販売禁止(2020年12月15日記事参照)は12月18日付で訂正され、ノンアルコール飲料の販売は許可される。

また通学に関しては、クリスマス休暇が近いことを考慮し、12月21日から以下の対策がとられる。

  • 初等教育課程高学年、高等学校、専門学校はクリスマス休暇を21日からに繰り上げ
  • 大学では、最終学年の実践教育、実験、芸術技能の授業(ただし20人以下のグループごと)、および博士課程における個人研究などの例外を除き、10人超のグループ授業禁止

政府は同時に、今回の制限措置で営業禁止の対象となる外食・宿泊部門の事業者に対して、3種類の補助金プログラムを可決した。うち、宿泊部門を対象に営業禁止期間、1部屋・1日当たり一定額が支給される「COVIDアコモデーション」、および外食、小売り・サービス部門を対象に家賃の半額を国が負担する「COVIDレント」は、既存のプログラムで、10~12月の期間を対象とした新たな応募期間が設定される予定だ。また今回新たに、外食部門のみを対象とした「COVIDガストロノミー」プログラムの導入も承認された。これは10月14日~12月31日の期間(ただし店内での営業禁止が解除された12月3~18日を除く)を対象に補助するものだが、対象期間は感染拡大の状況に合わせて延長される可能性もある。産業貿易省は2万2,000件の応募を予測しており、総額25億コルナ(約120億円、1コルナ=約4.8円)を予算として準備している。

(中川圭子)

(チェコ)

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