米国とメキシコ間で新たな特許審査ワークシェアリングを発表

(米国、メキシコ)

サンパウロ発

2020年12月18日

米国特許商標庁(USPTO)とメキシコ産業財産庁(IMPI)は12月7日、特許審査に関する新たな審査協力であるParallel Patent Grant(PPG)を開始することを発表した。

PPGは特許庁間における新たなワークシェアリングで、メキシコでの特許出願について、米国で既に特許を取得している場合には、メキシコ産業財産権法の要件を満たしている限り、USPTOでの審査結果を有効に活用することで、早期に特許が得られる仕組みだ。

USPTOとIMPIとでは、2020年1月28日に締結した覚書により、メキシコで2015年から2018年までの1万1,000件の特許出願の中から、200件をトライアルとして実施してきた。

特許庁間のワークシェアリングとして特許審査ハイウェイ(PPH)があるが、PPHは第1庁で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の要請によって第2庁で早期審査を受けられるようにする、両方向の取り組みなのに対して、PPGは米国で特許になったメキシコでの出願について、出願人の要請なく審査処理を促進する一方向の取り組みだ。

今回のPPGは、過去にUSPTOでの審査結果を有していれば、メキシコでの特許出願は技術分野を問わず全てが対象だ。ただ、メキシコにおいてPPGを利用した特許出願をする際の全てのクレーム(特許申請の範囲)は、米国で特許を取得した際のクレームに十分に対応しているか、対応するように補正されている必要がある。

IMPI担当者によると、PPGの目的は、IMPIにおける特許出願のバックログ(未処理分)減少にも寄与することを強調したいとのことだ。

(貝沼憲司)

(米国、メキシコ)

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