ケニトラの産業加速ゾーンに米国企業が新規投資、ゾーンは拡張へ

(モロッコ)

ラバト発

2020年12月21日

自動車用シートを生産するAdient(米国)が12月14日、モロッコの首都ラバトから北西約50キロに位置するケニトラの産業加速ゾーン(アトランティックフリーゾーン)に新たな工場を設立することを発表、モロッコのムーレイ・ハフィド・エル・アラミ産業・貿易・グリーン経済・デジタル経済相と覚書を交わした。

現地報道によると、Adientは新工場からグループPSA、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車への自動車部品の供給を予定しており、投資額は1,550万ユーロ、工場面積は2万4,500平方メートル、1,600人の雇用創出を目指している。同社のモロッコで2つ目の工場となる。最初の工場は2018年、同じくケニトラに投資額1億5,000万ディルハム(約1,380万ユーロ)、工場面積8,500平方メートルの規模で開設し、245人の雇用を生み出した。

また、12月8日には、エル・アラミ大臣がケニトラの産業加速ゾーンの拡張計画を承認した。現在の敷地は345ヘクタールで、49社が進出しており、今後、96ヘクタールの拡張を行い、グループPSAへのサプライヤーのさらなる進出を見込んでいる。同ゾーンでは、2019年にグループPSAが自動車生産を開始している。グループPSAはモロッコ国内での部品調達率を80%とすることを目標に、エコシステムの構築を進めている(2019年6月28日記事参照)。

(石橋洋一郎)

(モロッコ)

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