チューリヒ州が規制強化、集会規制と夜間営業禁止へ

(スイス)

ジュネーブ発

2020年12月10日

スイスのチューリヒ州政府は12月8日、新型コロナウイルスの感染者数拡大を受け、安全対策の強化を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。主な内容は以下のとおり。

  • 公的イベントへの参加人数を10人までに制限する。政治的・社会的集会や署名集めのためのものも含む。
  • クリスマスシーズンや年末年始の私的なイベントは参加人数を10人までとする。物理的距離の確保が難しいことから、12月23日までは私的なイベントへの参加は2世帯までとすることを強く推奨する。
  • 日曜と祝日は店舗内が混雑するため、12月24日から2021年1月10日までの期間、日曜と祝日の店舗営業を禁止する。
  • 飲食店に加えて、一般の小売店、24時間営業の店、市場、ガソリンスタンド、テークアウト営業、スポーツ・レジャー施設などの営業は午後10時までとする(薬局、病院、ホテルは除く)。
  • 飲食店の利用は、1テーブル当たり4人、かつ2家族までに制限する。利用者の連絡先情報の収集が必要となる。
  • カジノ、キャバレー、サウナクラブなどの店舗は閉鎖する。
  • 祝日や年越しの際、公道での花火や人が集まるパフォーマンスなどを禁止する。
  • 全ての教育機関で感染防止計画を策定し、ウェブサイト上で公開すること。対面授業の人数は50人までに制限する。
  • 義務教育課程の学校について、ロッカーの利用禁止や中学校のマスク着用義務を2021年2月末まで延長する。義務教育課程での外国語、文化、宗教など必修でない科目や私立教育機関による対面授業は同年2月末まで禁止する。
  • 高等学校や職業訓練校の新年の授業開始は1週間遅らせて1月11日からとし、その期間は宿題が出される。
  • 教育機関で新型コロナウイルス感染者が判明した場合、州または市の教育機関の感染追跡チームへの通報を義務付ける。

チューリヒ州は、フランス語圏の各州と比較すると、これまで厳格な感染対策措置を取ってこなかったが、12月9日のNZZ紙の報道によると、同州は連邦政府から8日までに緊急措置を取るよう強く求められていた。複数の連邦議会議員も同州の安全対策を求めており、同州として規制強化に踏み切った。

(和田恭)

(スイス)

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