11月の就業者数は9万人増、失業率は6.8%に改善

(オーストラリア)

シドニー発

2020年12月18日

オーストラリア統計局(ABS)は12月17日、11月の雇用統計を発表し、就業者数(季節調整値)が前月から9万人増加したことを明らかにした。失業者数は1万7,300人減少し、失業率は0.2ポイント改善して6.8%となった。

就業者数は、フルタイム労働者が8万4,200人、パートタイム労働者が5,800人増加して、前月比0.7%増の1,286万700人となった。月間総労働時間も4,280万時間増加して、前月比2.5%増の17億5,200万時間となった。労働参加率は0.3ポイント上昇して66.1%、不完全雇用率は1.0ポイント低下して9.4%となった。ただし、ABSによると、労働参加率は改善しているものの、3月時点の水準と比べると、就業者数は13万8,000人少なく、失業者数は22万6,000人多くなっているという。

新型コロナウイルス感染再拡大によって課されていた制限措置の緩和が進み、経済活動を再開したビクトリア州では、就業者数が前月から7万4,000人増加し、月間総労働時間も5.2%増加した。失業率も前月から0.2ポイント改善して7.1%となった。

その他の州の失業率は、ニューサウスウェールズ州(6.5%)やクイーンズランド州(7.7%)では前月から横ばいだったが、南オーストラリア州(0.8ポイント改善の6.2%)、西オーストラリア州(0.2ポイント改善の6.4%)、タスマニア州(0.4ポイント改善の7.9%)では改善がみられた。

経済・財政見通しも改善

オーストラリア連邦政府は12月17日、2020/2021年度(2020年7月~2021年6月)の中間経済・財政見通しを発表し、経済指標の予測値を10月の予算案公表時点から上方修正した。8%に達すると見込まれていた失業率は、2021年第1四半期(1~3月)に7.5%でピークを迎え、2022年第2四半期(4~6月)には6.25%まで改善するとした。2020年はマイナス3.75%に落ち込むと予測されていた実質GDP成長率は、マイナス2.5%に上方修正され、2021年には4.5%まで回復するとした。また、財政見通しでは、2020/2021年度の財政赤字を1,977億オーストラリア・ドル(約15兆5,195億円、豪ドル、1豪ドル=約78.5円)と見込み、想定よりも早く経済回復が進んでいることから、10月時点の予測より159億豪ドル改善するとの見通しを示した。

(住裕美)

(オーストラリア)

ビジネス短信 b86b8398bb4fd865