先端技術展示会「GITEX」がリアル開催、UAE・イスラエル経済サミットも併催

(アラブ首長国連邦、イスラエル)

ドバイ発

2020年12月11日

アラブ首長国連邦(UAE)において12月6~10日の5日間、中東地域最大級のテクノロジー見本市「GITEXテクノロジー・ウィーク」がドバイ・ワールド・トレード・センター(DWTC)で開催された。約60カ国から約1,200社が出展、「新型コロナ禍」以降、初めてリアル開催される主要経済イベントの1つとして注目された。当初は10月に開催の予定も、新型コロナウイルス感染拡大の影響で会期が後ろ倒しになっていた。

例年に比べると規模を縮小しての開催となったが、見本市会場内は多くの人でにぎわった。UAEや各首長国政府関連の大規模ブースや、Etisalat、Duなどの国営通信企業、中国ファーウェイや韓国ヒュンダイなどが大きなブースを展示。日系ブランドも、現地代理店を中心に複数の出展があった。初日にドバイのハムダン・ビン・ムハンマド・アール・マクトゥーム皇太子が開会を宣言し、4日目にはムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長も来訪。ムハンマド首長は自身のツイッターで、GITEXのリアル開催が実現したことに触れ、「UAEはコロナ禍の影響から最速で回復する国になるだろう」と期待と自信をみせた。

写真 会場内はソーシャル・ディスタンスに配慮した広い動線となった。マスク着用は必須(ジェトロ撮影)

会場内はソーシャル・ディスタンスに配慮した広い動線となった。マスク着用は必須(ジェトロ撮影)

ジェトロも、同見本市のスタートアップ部門「GITEX Future Stars」にジャパンパビリオンを5年連続で設置。日本のスタートアップ10社が出展した。うち2社はドバイに渡航して会場で積極的に商談を実施、残る8社はリモート参加となり、ジェトロが各社ブースにアシスタントを配置したほか、来場者とオンラインで接続し、画面越しに商談を行った。

 写真 ジャパンパビリオンには10社が参加(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンには10社が参加(ジェトロ撮影)

写真 リモート参加となった企業は、タブレット端末越しに来場者と商談した(ジェトロ撮影)

リモート参加となった企業は、タブレット端末越しに来場者と商談した(ジェトロ撮影)

イスラエルとの経済サミットも同時開催、両国政財界の要人が次々と登壇

 

12月7日には、GITEX会場内で「UAE-イスラエル・フューチャー・デジタル・エコノミー・サミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。UAEからは、リーム・アル・ハーシミー国際協力担当国務相をはじめ4閣僚が参加。両国から政府関係機関や主要企業のトップが次々と登壇し、フィンテック、アグリテック、食糧安全保障、モビリティー、貿易・投資、ヘルスケア、通信、サイバーセキュリティーなどの多岐にわたる領域における両国の取り組みやビジョンを紹介した。イスラエル輸出機構のアディブ・バルチ会長は、天然資源に恵まれないイスラエルが人的資源への投資によって国を興してきたことや、UAEが将来「ポスト石油時代」を迎えていくことに触れ、現世代がリーダーシップを取って協力していくことの意義を強調した。

写真 大型展示ホールをひとつ貸し切って行われたサミット会場内の様子(ジェトロ撮影)

大型展示ホールをひとつ貸し切って行われたサミット会場内の様子(ジェトロ撮影)

(山村千晴、田辺直紀)

(アラブ首長国連邦、イスラエル)

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