第3四半期GDP成長率は前期比14.0%

(ニュージーランド)

シドニー発

2020年12月17日

ニュージーランド統計局は12月17日、2020年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前期比14.0%だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止のための制限措置の影響を受け、四半期ベースでは最大の落ち込みとなった前期のマイナス11.0%(改定値)から反発した。

前年同期比では0.4%となったことから、ニュージーランド統計局は「全体としては、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復したといえる」と説明した。一方、2019年10月から2020年9月までの1年間では、マイナス2.2%と過去最大の減少幅を記録した。同局は「制限措置の影響によって失われた経済活動の全てを取り戻すまでには至っていない」と分析した。

産業別にみると、全ての産業が前期比で増加した(添付資料表参照)。特に、建設業(52.4%増)、小売・宿泊業(42.8%増)、芸術・余暇その他(26.8%増)、卸売業(19.2%増)、製造業(17.2%増)、鉱業(16.1%増)、輸送・倉庫業(16.0%増)など、前期に大きく落ち込んだ産業の回復が顕著だった。

ニュージーランドでは、3月26日から新型コロナウイルスの警報レベルを最高位のレベル4に引き上げ、いわゆる「ロックダウン」状態となり、必要不可欠とされたビジネス以外は営業停止を余儀なくされた。その後、制限措置は段階的に緩和され、6月9日にはレベル1となり、入国規制以外の制限措置は撤廃されたものの、経済活動には大きな影響を与えた。さらに、8月に入ってオークランドを中心に市中感染が再び拡大したため、警報レベルを再度引き上げたが、10月8日にはニュージーランド全土でレベル1の状態へと戻っていた。

グラント・ロバートソン財務相は「政府が早期に厳格な措置を講じたことによって、ニュージーランド経済は予想よりも早く回復している」と述べた。ただし、「経済効果を十分に実感できるまでは、経済的打撃を和らげ、雇用を生み出す政策を引き続き実施していく」と強調した。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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