11月の自動車生産台数は増加、堅調な国内販売に支えられる

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月08日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は12月3日、11月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数、輸出台数を発表した。生産台数は前月比13.5%増、前年同月比20.2%増の3万2,570台、輸出台数は前月比22.5%減、前年同月比35.8%減の1万1,503台となった(添付資料図1、図2参照)。1月から11月までの累計生産台数は前年同期比24.4%減の22万7,015台で、累計輸出台数は41.2%減の12万691台となっている。

11月の生産台数の内訳をみると、乗用車が前月比4.8%減、前年同月比21.5%増の1万1,907台、商用車が前月比27.5%増、前年同月比19.4%増の2万663台となった。乗用車は車両重量が1,500キロ以下の人員輸送用の車両、商用車は車両重量が1,500キロ以下の商業用途の車両を指す。

1月から11月までの仕向け地別の累計輸出台数をみると、ブラジル向けが7万9,858台と全体の66.2%を占めたが、前年同期比では5万7,338台減少しており、輸出台数全体を押し下げている。ブラジルに次いで累計輸出台数が多いのは、中米向けの9,867台、ペルー向けの7,374台、コロンビア向けの6,731台だが、いずれも前年を下回る水準になっている。

ADEFAのダニエル・エレーロ会長(アルゼンチントヨタ社長)は輸出の減少について、「努力を重ねる必要があるが、ここ数カ月の間に発表された新型車種の生産開始により輸出を回復することができるだろう」と述べた。

12月3日付の現地紙「エル・クロニスタ」(電子版)によると、新型コロナウイルス感染拡大により中断していた自動車工場が再稼働し始めた5月の後、6月以降続く生産台数の回復基調を支えているのは、堅調な国内販売だ。要因の1つとして同紙は、自国通貨ペソの対ドルレートの一層の下落への警戒感から、換物需要が高まっていることを挙げている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

ビジネス短信 96aab76c4b9bf95e