ホーチミン市直轄のトゥードゥク市、2021年1月に誕生

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年12月16日

ベトナム国会常務委員会は12月9日、ホーチミン市内に市直轄の「トゥードゥク市」設立に関する決議案を可決した。トゥードゥク市設立については、先にベトナム政府が同意していたもので、全国初の市直轄の市となる(2020年11月26日記事参照)。

トゥードゥク市は、ホーチミン市の東部に位置する「2区」「9区」「トゥードゥク区」(注)から形成される。トゥードゥク市の地域総生産(GRDP)は、同市に隣接し日系企業が多く進出するビンズオン省やドンナイ省のGRDPより大きい規模とされる。

ホーチミン市人民委員会のグエン・タイン・フォン委員長は「トゥードゥク市は、ホーチミン市と南部の主要経済地域の経済発展の中核都市となることが期待される。トゥードゥク市のGRDPはベトナムのGDPの7%に相当する」と発言し、国の経済発展に貢献する重要な地域との考えを示した(ベトナム国営通信社「ベトナムプラス」12月9日)。

今回の決議により、2021年1月1日にホーチミン市直轄のトゥードゥク市が誕生し、ホーチミン市の行政区分は「19区」「5県」から、「1市(トゥードゥク市)」「16区」「5県」の構成に移行する予定だ。

また、9日の国会常務委員会は、観光地として人気のリゾート島である南部キエンザン省のフーコック県について、現状の行政区分の「県」から「市」に昇格させる決議案も全会一致で可決した。施行日は2021年3月1日で、島という地域区分としては全国初の市となる(「タインニエン」紙電子版12月9日)。

(注)「2区」には南部の海上輸送の要所カットライ港や開発が進むトゥーティエム新都市、「9区」にはハイテク企業が入居するサイゴンハイテクパーク(SHTP)、「トゥードゥク区」にはベトナム国家大学ホーチミン市校(VNU-HCM)などがある。

(小川士文)

(ベトナム)

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