新型コロナ感染拡大の最盛期レベルに規制を再強化

(香港)

香港発

2020年12月10日

香港政府食品衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は12月8日、記者会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大防止措置の一層の強化を発表した。7月の第3波(注)到来時の措置に戻し、人の流れを抑制するために全力を尽くすとしている。

強化する主な措置は以下のとおり。

(1)レストランなどの施設に対する措置

  • 午後6時~翌日午前4時59分はレストラン店内での飲食禁止。1テーブルの着席人数を2人までとし、店内座席数を通常の50%までとする措置を維持。
  • バー、パブは引き続き営業停止。
  • フィットネスジム、美容関連施設(エステ・ネイルサロンなど)、マッサージ店、スポーツ施設、アミューズメント施設(ボウリング・ビリヤードなど)、エンターテインメント施設(映画館・劇場など)、カラオケ、麻雀店、ゲームセンター、プール、サウナ、パーティールームは営業停止。

上記措置は12月10日から実施し、期限は12月23日までの2週間。

(2)入境関連

  • 中国大陸以外からの入境者については、空港到着後、PCR検査(これまでの唾液検査から綿棒利用の粘液検査に変更)を実施。手配された専用車両で政府指定ホテルへ移動し、14日間の隔離検疫。12日目と19日目(もしくは20日目)に再度PCR検査を実施。
  • 海外から香港への入境(香港IDもしくは査証所持者のみ。入境後14日間の強制検疫)、中国本土・マカオ・台湾から香港への入境(入境後14日間の強制検疫。11月23日以降、香港居民かつ過去14日以内に香港、広東省、マカオ以外の滞在歴がなく、諸手続きをした場合は強制検疫免除)に関する現行措置は、12月31日の期限を2021年3月31日まで延長。

(3)公共の場でのマスク着用義務、2人までの集合制限は継続。違反者に対する罰金は、12月11日から5,000香港ドル(約6万7,000円、1香港ドル=約13.4円)へ増額(これまでは2,000香港ドル)。

写真 普段と変わらない昼食時間帯の人の流れ(12月9日、湾仔でジェトロ撮影)

普段と変わらない昼食時間帯の人の流れ(12月9日、湾仔でジェトロ撮影)

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、7月中旬以降の域内感染拡大を「第3波」と呼んでいる。現在は「第4波」が到来しているとされる。

(渕田裕介)

(香港)

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