11月の自動車販売は前年同月比33.4%増

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月08日

アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)は11月30日、2020年11月の自動車国内販売(新車販売登録)台数(トラック・バスを含む)は前年同月比33.4%増、前月比7.6%減の3万3,763台だったと発表した。

ACARAでは、10月下旬から11月初旬にかけての通貨ペソの対ドルレート下落などにより、月初めの自動車販売台数に悪影響を及ぼすとみていたが、実際には影響はなく、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準にまで回復した。前月比で減少した主な要因は、平日の日数が前月比で1日少なかったためと、ACARAは分析している。

乗用車と軽商用車の販売台数をブランド別でみると、フォルクスワーゲン(VW)が5,294台(シェア16.2%、前年同月比24.9%増、以下同)で首位となった(添付資料表1参照)。日系メーカーは、トヨタが5,013台(15.3%、33.4%増)、日産が1,170台(3.6%、20.9%増)、ホンダが320台(1.0%、9.6%増)だった。

車種別では、フィアットのクロノスが2,856台で首位、トヨタの商用車ハイラックスが2,020台で2位となった(添付資料表2参照)。

ACARAのリカルド・サロメ会長は、11月の自動車登録台数が前月比で減少するのは季節要因でいつものことだが、前年同月比では(その他大型車を含めて)34%伸びており、2020年の年間登録台数は34万5,000台近くに達するとの見通しを示した。

11月30日付の現地紙「アンビト」(電子版)によると、自動車を対象とした内国税〔奢侈(しゃし)税、Impuesto Interno〕の課税対象となる最低金額が改定され、12月1日以降は小売価格が225万ペソ(公定レート換算で約2万5,800ドル、非公定レート換算で約1万4,800ドル)を超える自動車は20%、415万ペソを超える自動車には35%の内国税が課税される。そのため、課税による消費者の買い控えを避けるため、「課税対象最低金額をわずかに下回る小売価格を設定して販売する車種が輸入車を中心に多い」と報じられている。また、同紙は記事の中で、課税対象最低金額はインフレ率と自国通貨安を十分に反映しておらず、結果として薄利で販売することとなるため、「自動車販売事業者は苦境に立たされている」と指摘している。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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