緊急事態宣言を12月31日まで、全国衛生緊急事態宣言は2021年3月6日まで延長

(ペルー)

リマ発

2020年12月01日

ペルー政府は11月29日、翌30日が期限の緊急事態宣言を12月31日まで再び延長する大統領令第184-2020-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発令した。この大統領令で、政府は新型コロナウイルス感染予防体制のさらなる強化のため、保健省(MINSA)の権限強化を図ることも決定。具体的には、官民問わず全ての医療機関とその従事者をMINSAの管轄下に置き、各施設の利用方針を決める権限を与えた。軍や警察の医療施設や従事者についても、MINSA所管とすることとしている。また、医療関連製品の速やかな輸入通関や流通、納品を目的として、これらの業務の迅速化を図る権限もMINSAに付与することになった。感染者の外出を禁止する点についても、医療機関からの治癒証明が出るまでは、防衛省(MINDEF)を筆頭に組織するワーキンググループ「TE CUIDO PERU(守ってあげるペルー)」による監視下に置くことを同大統領令第6項に明示した。

その他の主な改正事項は以下のとおり。

  1. 12歳以下の子供は、公共の場では2メートル以上の社会的距離を保つこと。ただし、同伴する保護者はこの対象外とする。
  2. 夜間強制外出禁止令(戒厳令)の時間帯を全日午前0時から午前4時までとする(今までより1時間短縮)。ただし、外国政府公館や国際機関などに勤務する外国人で、公務上外出が必要な場合は適用外とする。

また、12月7日に期限を迎える全国衛生緊急事態宣言についても、11月26日発令の大統領令第031-2020-SA号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、2021年3月6日までの90日間、さらに延長することを決定した。全国衛生緊急事態宣言の延長に伴い、感染リスクの高い世代(65歳以上)のリモート勤務義務についても同期間、延期される。「雇用契約凍結制度(SPL)」(2020年4月17日2020年4月28日記事参照)も、全国衛生緊急事態期間の終了予定日から30日後の2021年4月5日まで適用されることになる。

(注)国家の危機によって国の存亡や国内治安の混乱が懸念される「緊急事態宣言」に対して、国民の健康と生命が危機にある状況で発令されるのが「衛生緊急事態宣言」。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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