新5カ年計画のR&D振興予算額、GDP1%相当を維持

(シンガポール)

シンガポール発

2020年12月16日

シンガポール首相府管轄下の国家研究基金(NRF)の会長を務めるヘン・スイキャット副首相は12月11日、同基金の下の官民合同の研究・革新・企業評議会(RIEC)が策定した2021~2025年の5カ年計画「研究・イノベーション・エンタープライズ2025年計画(RIE2025)」を発表した。2025年計画の予算総額は250億シンガポール・ドル(約1兆9,500億円、Sドル、1Sドル=約78円)と、前回の5カ年計画(RIE2020、2016年1月28日記事参照)を32%上回り、過去最高額となった。政府は引き続き、同国のGDPの約1%規模というR&Dの振興予算水準を維持する。

発表によると、250億Sドルの予算総額の29%に相当する73億Sドルを、大学や科学技術研究庁傘下の研究機関の能力強化に振り向ける。また、52億Sドル(予算総額の21%)を企業のイノベーション活動支援、起業家育成、22億Sドル(同9%)を人材育成、37億5,000万Sドル(同15%)を分野非限定で新規研究分野に充てる予定だ。残りの約65億Sドル(同26%)は今回拡大した優先研究分野に充てられる。

新5カ年計画では新しい優先研究分野として、(1)製造・貿易・コネクティビティー、(2)健康・人の潜在能力の向上、(3)都市ソリューション・環境変化に対応した持続可能な技術、(4)スマート国家・デジタルエコノミーの4つの分野を挙げている。そのうち、健康・人の潜在能力分野は、政府が2000年から開始したバイオメディカルサイエンス(医薬・医療機器)産業振興を基盤としたもの。同国は同産業振興の一環として、特に2003年の新型肺炎(SARS)の流行以降、感染病研究を強化した結果、2020年の新型コロナウイルス検査キットの独自開発の成果につながったとしている。今後は、人の潜在能力強化の一環として、妊娠時・幼児の健康促進、学習能力の向上や長寿の研究に取り組む方針。

シンガポールは1991年以来、R&D振興の5カ年計画を発表している。RIE2025の詳細はNRFのウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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