クアラルンプール市内での一部サービス業のビジネスライセンスに外資規制

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年12月04日

マレーシアのクアラルンプール市役所(DBKL)は12月2日、ジェトロに対し、6月1日からクアラルンプール市内で新規にビジネスライセンスを取得する特定20業種に対して、外資参入を禁止したことを明らかにした。ビジネスライセンスは、事業所が所在する地方自治体に申請する許認可で、条件は地方自治体および業種により異なる。本規制は6月1日、DBKLが導入を表明していたものの、通達など正式な書面で発表されていなかったため、ジェトロがDBKLライセンス・ビジネス開発部の担当者に対して、事実確認を続けていた。

新規申請が規制対象

対象業種は、レストラン、小売店、美容院などのサービス業が中心で、一部の業種についてはインターナショナルブランドや高級ブランドであれば対象外となる(添付資料表参照)。なお、特定業種に該当する場合でも、店舗ではなく、運営管理や事務を行うマネージメントオフィスである場合には外資規制の対象外になるという。

また、6月1日以前に、特定業種に該当する店舗のビジネスライセンスを取得済みで、その更新の場合は今回の規制は適用されないが、新たな店舗のための新規申請の場合には適用対象となる。申請内容に変更がある場合も、新規申請とみなされる。ビジネスライセンスは1年ごとに更新が必要となる。

外国人による違法営業の取り締まりが目的

新型コロナウイルス流行以降、クアラルンプール市内で外国人がビジネスライセンス未取得で、レストランや小売店を営業する事例が増加しており、こうした違法営業の取り締まり強化が規制導入の目的だという。

また、本規制は特定業種だけではなく、クアラルンプール市内の、特に外国人による違法営業が多い特定地域に所在する店舗に対する申請にも適用されるという。特定地域の1つには、市内中心地のブキビンタンも含まれるというが、詳細は開示されていない。

DBKLの担当者によると、外国企業の投資を妨げる意図はないため、外国企業による申請についてはケースバイケースで検討すると話す。詳しい規制内容は公開されていないため、今後、特定業種に該当する店舗をクアラルンプール市内で開業することを計画する場合には、ビジネスライセンス申請前にDBKLへ相談し、規制内容や条件について確認することを勧める。

(田中麻理)

(マレーシア)

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