2021年度予算は経済復興に焦点

(スリランカ)

コロンボ発

2020年12月09日

スリランカ政府は11月17日、2021年度の予算を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。マヒンダ・ラージャパクサ首相(財務相兼務)は「経済復興」を主眼にした予算とした。約1カ月の国会審議を経て、12月10日に承認される予定。

マヒンダ首相は予算講話PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の中で、テロ対策に重点を置くことから安全保障に言及すると同時に、輸入超過の貿易構造からの脱却や、デジタル化による政権運営効率化など、「新型コロナ禍」の影響からの復興につながる施策を実施すると強調した(添付資料表参照)。復興立ち上げの年となる2021年度は5.5%と高めの経済成長率を目標にしている。なお、新型コロナウイルスの影響によって市民の生活や企業活動が著しく制限された結果、IMF外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは10月、スリランカの今年度の成長率をマイナス4.6%と予測している。

新政権の税改革、軽減・減免措置だけでなく徴税強化も

今回の予算発表と同時に、多くの産業で税の軽減・減免措置の導入予定など、税改革の方向性と概要も示した。ゴタバヤ・ラージャパクサ大統領は就任後間もない2019年12月には付加価値税の見直しを行い、税率の軽減などを実現した。他方、確実な税の徴収を実現すべく、2021年4月1日からはあらゆる企業を対象に、オンライン税収管理システム(RAMIS)への登録を義務付ける。

2021年度の推定政府歳入は前年比27.8%増の2兆290億スリランカ・ルピー(約1兆1,362億円、1スリランカ・ルピー=約0.56円)、歳出は前年比25.9%増の3兆5,940億ルピーで、収支は1兆5,650億ルピーの赤字が見込まれている。政府は赤字を2021年度のGDP比8.9%から、2025年度までには4%まで減らす目標を立てている。

(ラクナー・ワーサラゲー、糸長真知)

(スリランカ)

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