スイスの第3四半期のGDP成長率、前期比7.2%に回復

(スイス)

ジュネーブ発

2020年12月03日

スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は12月1日、2020年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前期比7.2%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、第2四半期(4~6月)のマイナス7.0%の落ち込みから大幅に改善した(添付資料表参照)。一方で、前年同期比ではマイナス1.6%にとどまり、2019年末の「新型コロナウイルス危機」以前の水準より依然として低いが、欧州近隣諸国に比べるとスイス経済が受けた影響は限定的だった。

需要項目別にみると、新型コロナウイルス感染対策の緩和に伴い、個人消費が前期比11.9%増と大きく伸び、設備投資(8.8%増)と建設投資(5.1%増)も増加した。内需が8.9%増と大きく拡大したことで、輸入も財(11.2%増)、サービス(9.9%増)ともに増加した。製造部門(8.6%増)の回復により、財の輸出(6.9%増)は増加したが、サービスの輸出(1.4%増)は、外国人観光客の減少で一部の宿泊および飲食業が影響を受け、伸び悩んだ。

第3四半期のGDPを産業別にみると、第1四半期および第2四半期では落ち込んでいた芸術・娯楽・レクリエーションと宿泊・飲食サービスがそれぞれ前期比61.9%増、72.9%増と飛躍的に伸びた。スポーツ・レジャー・文化施設やレストランの営業再開がこれらサービス部門の回復に寄与したが、大規模イベントに対する活動制限が継続していることなどから、「新型コロナウイルス危機」以前の水準にはまだ回復していない。医療・ヘルスケア(12.0%増)は緊急を要さない治療の再開により大きく増えた。

(竹原ベナルディス真紀子)

(スイス)

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