新型コロナウイルス検出で中国がアルゼンチン食肉輸出業者2社からの輸入を停止
(アルゼンチン、中国)
ブエノスアイレス発
2020年12月03日
中国海関(税関)総署は12月1日、アルゼンチンのエコカルネが輸出した冷凍牛肉の外装から新型コロナウイルスが検出されたとして、税関総署公告2020年第103号の規定に基づき、同社産の牛肉の輸入を1週間停止すると発表した。11月14日にも、フリゴリフィコ・ゴリーナが輸出した冷凍牛肉の外装から新型コロナウイルスが検出されたとして、同社産の牛肉の輸入を4週間停止すると発表しており、今回で2例目となる。
アルゼンチンの国家農畜食糧衛生品質管理機構(SENASA)によると、1例目の貨物は上海港に到着し、その一部を南京にある運送業者の施設に保管。同施設からの出庫に際して中国CDC(中国疾病予防管理センター)が検査を実施したところ、外装からウイルスが検出されたという。税関の検査による検出ではないため、SENASAは追加情報を中国側に求めているとしている。12月2日時点で、2例目についてのSENASAからの発表はない。
12月1日付の現地紙「クラリン」(電子版)は、「ウイルスが(アルゼンチンから中国までの)輸送期間の60日間を梱包(こんぽう)材の上で生存することは考えられない」「感染リスクは取るに足らない」「中国国内でウイルスが付着した可能性がある」との識者の見方を伝えている。
アルゼンチン産牛肉の輸出の大部分は中国向けだ。牛肉消費促進局(ICPVA)によると、2020年1~10月の中国向け累計輸出量は36万9,911トンで、全体の73.9%を占めている。輸出額は13億9,470万ドルで、全体の62.1%を占めている。SENASAによると、中国向けの食肉処理施設はアルゼンチン国内90カ所に上る。
(西澤裕介)
(アルゼンチン、中国)
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