公認両替商レートが1ドル500ナイラと通貨安、物価も上昇傾向

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年12月04日

ナイジェリアの最大都市ラゴスの公認両替商(Bureau De Change, BDC)における為替レートが11月28日、1ドル500ナイラとなり、原油不況だった2017年2月以来のナイラ安となった(添付資料図1参照)。

中央銀行の公定レートは1ドル380ナイラ、貿易取引の公式レート(NAFEX)が390ナイラに対し、BDCや並行市場ではナイラ安が進んで500ナイラと実勢レートとの乖離が次第に拡大している。外貨準備高減少のため中央銀行が外為市場に十分な外貨を供給できず、NAFEXの外為枠が十分でなく、原材料の多くを輸入に頼る製造業や、国外に資金を送還しようとする海外投資家がBDCを多く利用しているものとみられる。

通貨安は輸入品の国内価格を引き上げ、物価が上昇している。国家統計局が発表した10月の対前年同期比の消費者物価指数(CPI)は14.23ポイントで2018年2月以来の高さだった。ナイラ安に加え、付加価値税や印紙税の増税、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で6月まで続いた州境閉鎖や、農作物植え付け時期の遅れなども影響し、食料品部門の上昇率は17.38%だった。

ガソリン小売価格は2020年6月時点で約122ナイラだったが、政府が補助金と価格統制を廃止した影響もあり、11月に約170ナイラに値上がりし、労働組合が反発を強めている(添付資料図2参照)。政府は天然ガス車の普及計画を進めるなどしてインフレの影響緩和を図っている。

(西澤成世)

(ナイジェリア)

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