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欧州の商用車業界、2040年までに新車の脱化石燃料化を目指す

(EU)

ブリュッセル発

2020年12月17日

欧州自動車工業会(ACEA)の会員で、トラックなど商用車を製造する企業7社(注1)は12月15日、2040年までに全ての新車について脱化石燃料を実現し、そのために、ドイツのポツダム気候影響研究所(PIK)と協力すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。産業界と学術界が協力することで、科学的な事実に基づいた目標達成への道筋などを関係者に示し、脱炭素化に向けて課題や必要な対応を明らかにすることを目指す。両者による共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に加えて、ACEAは同日、陸上貨物分野における脱炭素化に関する政策提言PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も発表した。両文書において、目標実現には、(1)電気自動車(EV)や水素燃料車など温室効果ガス排出ゼロ(ゼロエミッション)車の改良や車種の増加、(2)大型車に適合した充電スタンドなどインフラ整備への投資および公的支援の拡大、(3)自動車産業だけでなくエネルギー産業などを含めた一貫した取り組みが必要だとした。

カーボン・プライシングが有効な政策手段と主張

脱炭素化へ向け、できるだけ早くゼロエミッション車の市場占有率を上げるために必要な政策手段として、ACEAはカーボン・プライシング(注2)が有効だとした。EUの排出量取引制度(ETS)に陸上輸送を含めること、排出量に応じた通行料の徴取といった政策オプションを肯定しつつ、電力、水素や低炭素燃料など全てのエネルギーキャリア(注3)の炭素量や温室効果ガス排出量について、適正に価格設定されない限り、ゼロエミッション車の市場は拡大しないとした。また、全てのエネルギーキャリアの脱炭素化を実現するために、政策立案者は、エネルギー・バリューチェーン全体を考慮に入れる必要があるとした。なお、欧州委員会は、12月9日に発表した「持続可能なスマートモビリティー戦略」(2020年12月11日記事参照)において、カーボン・プライシングなど、ゼロエミッション車への需要を喚起する措置や、排出量取引、自動車税といった政策の一貫性が必要との認識を示している。

提言書の最後に、ACEAは「商用車業界は、前例のないスピードとスケールで進められる脱炭素化に向けて準備ができている」とし、運輸、ロジスティック分野の関係者に対しても、脱炭素化プロセスへの参画を求めた。

(注1)イベコ、スカニア、ダイムラー、ダフ、フォード・トラック、ボルボ、マンの7社。

(注2)炭素税や排出量取引により炭素の価格付けを行うこと。

(注3)エネルギーの輸送・貯蔵のための担体となる化学物質。

(滝澤祥子)

(EU)

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