香港政府、各業界支援のための第4弾防疫抗疫基金を発表
(香港)
香港発
2020年12月21日
香港政府のナンバー2である張建宗(マシュー・チョン)政務長官は12月18日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済的な影響が出ている業界や市民を支援するため、経済政策「防疫抗疫基金」第4弾を発表した。
総額は、約64億香港ドル(約832億円、1香港ドル=約13円)。第1弾(2020年2月)の300億香港ドル、第2弾(4月)の1,375億香港ドル、第3弾(9月)の240億香港ドル、また2020/2021年度(2020年4月~2021年3月)予算案に盛り込まれた1,200億香港ドルと比較すると、規模は小さいながらも、飲食店向け補助などは過去のものに比べ倍増している。
張長官は「政府による各種規制強化に伴い、業界によっては非常に大きな打撃を受けている。こうした業界や関連産業に従事する市民に対し、さらなる援助を提供するものだ」としている。
発表された「防疫抗疫基金」のうち金額が大きいものは以下のとおり。詳細は添付資料表参照。
- 飲食店(34億香港ドル):店舗面積に応じ、10万~50万香港ドルの一時金を支給(第3弾の際は5万~25万香港ドル)
- 美容施設(ネイルサロン、エステなど)、マッサージ店など向け(7億香港ドル):従業員数に応じ、3万~10万香港ドルの一時金を支給。チェーン店については最大300万香港ドルを支給。
- 教育施設関連(3億6,200万香港ドル):学校向けのケータリングサービス事業者、弁当事業者、コーチ・トレーナーなどへの一時金支給。
- その他、緊急費用(8億3,000万香港ドル)
2020年度の財政赤字は過去最高の見込み
業界内からは歓迎する声が上がる一方、苦境に立つとされている航空業界や運輸業界向けの支援は見送られた。張長官は「各界から政府に対し財政支援要請があるが、財政圧力を考慮しなければならない」「本財政年度終了時点で、香港の財政備蓄は8,000億香港ドルに減少、過去最高の3,000億香港ドルの赤字が見込まれる」とコメントし、財政圧力を勘案しながら感染拡大に備える必要がある、として理解を求めた。
(渕田裕介)
(香港)
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