2020年のGDP成長率予測をマイナス6.7%に上方修正

(ベルギー)

ブリュッセル発

2020年12月22日

ベルギー国立銀行(中央銀行)は12月14日に発表した2023年までの経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、2020年のベルギーの実質GDP成長率をマイナス6.7%、2021年を3.5%と予測した(添付資料表参照)。2020年の予測値は、前回6月の予測から2.3ポイント上方修正された。2021年と2022年は、新型コロナウイルスのワクチンの普及により制限措置が緩和されると仮定して、3%を超える経済成長を見込むものの、感染拡大の状況によってはさらなる制限措置の導入の可能性もあり、先行きは不透明としている。

景気の回復は主に家計消費が牽引し、規制が緩和されれば再び持ち直すと予想される。一方、企業投資は、需要回復の見通しが不透明なことと、英国とEUの貿易協定交渉の決裂といった短期的なリスクから、回復にはより時間がかかるとした。純輸出は、旅行需要の緩やかな回復に伴い、輸入の回復が輸出を上回ることから、GDP成長率への寄与度はマイナスを維持するとした。

労働市場は、一時帰休制度の延長や個人事業者向けの財政支援といった公的支援措置により、景気減速の影響が大幅に緩和されているが、それでも2021年秋までに10万件の雇用が喪失されると予測し、失業率は7.4%まで上昇するとした。

財政収支については、経済活動の停滞により収入が減少する一方で、各種支援策で支出が増大した結果、財政赤字が2020年にGDP比で10%を超え、大幅に悪化するとした。現行の支援策は一時限的な措置であるものの、その後も財政赤字の劇的な改善は見込めず、「新型コロナ危機」以前の2倍以上となる約6%の水準を維持する見通し。

(大中登紀子)

(ベルギー)

ビジネス短信 11fdba1cc155e839