イノスイス、新型コロナ禍でのイノベーション支援強化

(スイス)

ジュネーブ発

2020年11月17日

スイス連邦参事会(内閣)は11月11日、イノベーション促進を目的とした政府機関イノスイスを通じて、中小企業の競争力を担うイノベーション活動を「新型コロナウイルス禍」においても促進するための支援プログラム「スイス・イノベーション」を創設することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新たなプログラムの概要は以下のとおり。

  • 支援対象は中小企業と従業員500人以下の企業
  • 実施期間は2021~2022年の2年間
  • 共同研究プログラムの企業側自己負担比率をこれまでの50%から30%に引き下げる(残りをイノスイスが負担)。自己負担分はキャッシュによる支払い以外の形式(企業の設備・ノウハウ提供など)で賄うことも可能。
  • リスクの高い「破壊的イノベーション(disruptive innovation)」(注)に関するプロジェクトの場合、外部コンサルタントサービスの利用が必要とされれば、その部分についての企業側負担比率を20%とする。

イノスイスでは、同プログラムの実施期間中、475件に対する支援を見込んでいる。上記のほか、通常の支援基準でのプログラムでも300~350件の支援を見込んでおり、2021年と2022年にイノスイスが支援するプロジェクトの過半数は本支援プログラムにより実施されると予想される。

本プログラムは、通常の支援に比べて約6,300万スイス・フラン(約72億4,500万円、CHF、1CHF=約115円)の追加費用が生じると見込まれ、合計予算は2億2,600万CHFに達する。なお、イノスイスに対する2021年~2024年の予算額が9月の議会承認時に増額されており、本プログラムの費用はその上積み額で賄われる。

(注)確立された技術やビジネスモデルによって形成された既存市場の秩序を乱し、業界構造を劇的に変化させるイノベーションのこと。

(和田恭、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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