バイデン氏、激戦のアリゾナで優勢、ネバダで接戦もわずかにリード

(米国)

ロサンゼルス発

2020年11月05日

米国大統領選挙(11月3日)の西部の激戦州のうち、民主党のジョー・バイデン氏がアリゾナ州で優勢となり、ネバダ州でもわずかにリードしている。

アリゾナ州では、CNNの報道によると、現地時間4日午後7時(日本時間5日午前11時)時点の開票率は84%で、得票率はバイデン氏50.7%、ドナルド・トランプ氏47.9%となっており、バイデン氏が優勢だ。トランプ氏は選挙戦最終盤で同州に何度も訪問して選挙集会を開催しており、米政治情報サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)がまとめた同州の直近の世論調査(10月25日~11月1日平均値)によれば、バイデン氏の支持率47.9%に対し、トランプ氏は47.0%で、3週間ほど前には4ポイント程度あったバイデン氏のリードが0.9ポイントまで縮まる接戦となっていた。同州は、これまで共和党の牙城とされており、仮にバイデン氏が勝利すれば、民主党候補者の勝利は1996年のビル・クリントン氏以来となる。

ネバダ州では、同時点(日本時間)での開票率は86%で、バイデン氏58万8,252票(49.3%)、トランプ氏58万605票(48.7%)と、バイデン氏が7,600票余りリードしている。州当局の発表によれば、投票日以降に届いた郵便投票の結果を処理できておらず、現地時間5日午前9時(日本時間6日午前2時)に最新の開票状況を公表するとしている。同州は、民主党と共和党のどちらの候補者も勝つ可能性のある典型的なスイング・ステートで、1992年と1996年は民主党のクリントン氏、2000年と2004年は共和党のジョージ・W・ブッシュ氏、2008年と2012年は民主党のバラク・オバマ氏、2016年は民主党のヒラリー・クリントン氏が制している。RCPがまとめた同州の世論調査(10月23日~11月2日平均値)によれば、バイデン氏の支持率48.7%に対し、トランプ氏46.3%と、バイデン氏の有利が伝えられていた。

CNNの出口調査によると、アリゾナ州では、白人層の48%がバイデン氏とトランプ氏にそれぞれ投票しているが、非白人層では60%がバイデン氏に、35%がトランプ氏に投票している。また、ネバダ州では、白人層の41%がバイデン氏に、56%がトランプ氏に投票しているのに対し、非白人層では60%がバイデン氏に、35%がトランプ氏に投票している。

米国勢調査局によれば、2017年と2018年の他州からアリゾナ州への移住者約54万人のうち、24%(約13万人)がカリフォルニア州からの移住者とされる。民主党支持者が多いとされるカリフォルニア州からの移住者の増加が、共和党の牙城とされるアリゾナ州でのバイデン氏の善戦に影響しているとみられる。

(永田光)

(米国)

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