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RCEP協定署名のベトナム、経済拡大に期待感

(ベトナム)

ハノイ発

2020年11月26日

ベトナムは11月15日に東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に署名した(2020年11月16日記事参照)が、ASEAN議長国としてベトナムは、既に6月のASEAN首脳会議の場で協定の早期締結に強くコミットする決意を表明するなど、締結に向けた交渉をリードしてきた。

グエン・スアン・フック首相は主催したRCEP首脳会議の場で「RCEPは多国間貿易体制を推進するASEANの主導的役割を示す」とし、「新たな時代への歴史的な節目となる」と語った。また、チャン・トゥアン・アイン商工相は「RCEPが発効すれば、ベトナム企業はより広範囲なバリューチェーンに参入する機会を手にするほか、海外からの投資をさらに引き付けることになる」と期待を寄せた(「ベトナム・ニュース」11月15日)。

RCEPに関するベトナム国内の見方はおおむね好意的だ。ベトナム商工会議所(VCCI)のWTOセンター長のグエン・ティ・トゥ・チャン氏は、在ベトナム企業の原材料・部品の主要な調達先である中国や韓国といった国々が参加することに意義があると分析した(「VNエクスプレス」11月16日)。例えば、中国の原材料・部品を使ったベトナム製品を日本へ輸出し、日本側で自由貿易協定(FTA)の関税率適用を受ける場合、これまでは日本、中国、ベトナムが含まれるFTAは存在しなかったため、中国からの原材料にベトナム国内で十分な付加価値や加工を加えて、ベトナムと日本との間のFTAの原産地規則を満たす必要があった。他方、RCEPでは、中国からの原材料・部品が原産材料(注)であれば、それをベトナムの原産材料として使用して、RCEPの原産地規則を満たすことが可能となる。調査会社フィッチソリューションズのアナリストのジェイソン・イェク氏は「ベトナムで最も恩恵を受けるのは、電気通信やITテクノロジー、繊維、履物、農業、自動車といった産業だ」と予測した(「VNエクスプレス」11月15日)。

一方で、中国製品との競争激化を懸念する声もある。VCCIのチャン氏は「RCEPは中国と日本の間で初めてのFTAとなる。これまで日本とのFTAによって優位性を発揮してきたベトナム製品は今後、日本市場で中国製品との競争に直面することになるだろう」と述べた。また、ベトナム国内でも中国製品との競争が激しくなるとの見方も出ている(「VNエクスプレス」11月16日)。

(注)原産材料とは、FTAの原産地規則を満たした原産品である原材料のこと。

(上田弘大)

(ベトナム)

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