主要格付け会社、アフリカ開発銀行を「安定的」と信用格付けを維持

(コートジボワール、アフリカ)

アビジャン発

2020年11月27日

米国の格付け会社ムーディーズは10月27日、アフリカ開発銀行(AfDB)の長期発行体格付けを「Aaa」とし、格付けの見通しを安定的と確認した(同行プレスリリース11月14日付)。AfDBの格付け「Aaa」は、自己資本の高い充実度と、堅実な財務およびリスク管理政策、非常に高い流動性カバレッジ、極めて良好な資本市場へのアクセスなどを評価している。また、アフリカにおける開発の中心的な役割を担う開発機関としての長期にわたる実績に裏付けられた同行の業務に対する非常に強力な出資国の支援の意向と「優先債権者としての地位」の享受も評価に反映している。

AfDBのアキンウミ・アデシナ総裁は「ムーディーズによる『Aaa』格付けは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって課せられた困難な課題に直面しても、当行の慎重な財務とリスク管理、強力なガバナンスシステムの強さを確認するものだ」と述べた。

ムーディーズの「Aaa」格付けに先立ち、他の主要な格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングス、日本格付研究所も、AfDB格付けを引き続き「AAA」と評価している。いずれも見通しは「安定的」とされ、十分な自己資本と流動性を備え、慎重な財務管理を実行し、域内外加盟国の確固たるサポートと優先債権待遇を受けているなど、健全な財務状態を反映した最優良の信用格付けを受けている。

AfDBは1964年に設立され、本部をコートジボワールに置く。加盟国はアフリカ54カ国と域外27カ国。2020年4月にアイルランドが新たに加盟した。日本は1983年に加盟し、AfDBを通してアフリカ諸国のインフラ開発や地域統合、民間セクター開発に貢献しており、出資額は域外国中第2位となっている。

(渡辺久美子)

(コートジボワール、アフリカ)

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