10月の就業者数は約18万人増、失業率は7.0%に悪化
(オーストラリア)
シドニー発
2020年11月20日
オーストラリア統計局(ABS)は11月19日、10月の雇用統計を発表し、就業者数(季節調整値)が前月から17万8,800人増加したことを明らかにした。失業者数も2万5,500人増加し、失業率は0.1ポイント悪化して7.0%となった。
就業者数は、フルタイム労働者が9万7,000人、パートタイム労働者が8万1,800人増加して、前月比1.4%増の1,277万3,900人となった。月間総労働時間も2,060万時間増加して、前月比1.2%増の17億1,100万時間となった。労働参加率は0.9ポイント上昇して65.8%となり、不完全雇用率は1.0ポイント低下して10.4%となった。
ビクトリア州では、新型コロナウイルスの感染再拡大によって課されていた制限措置が9月末から緩和され始めたことから、就業者数は前月から8万1,600人増加し、月間総労働時間も5.6%増加した。求職活動の再開により、失業率も前月から0.7ポイント増加して7.4%となった。
その他の州の失業率は、シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州が前月から0.7ポイント改善して6.5%となったほか、西オーストラリア州(0.1ポイント改善の6.6%)で改善がみられた。タスマニア州(0.6ポイント悪化の8.2%)、クイーンズランド州(0.1ポイント悪化の7.7%)、南オーストラリア州(0.1ポイント悪化の7.0%)、北部準州(1.0ポイント悪化の5.7%)、首都特別地域(0.1ポイント悪化の3.9%)では悪化した。
今回の結果を受けて、スコット・モリソン首相は「新型コロナウイルスの影響によって失われた雇用の75%が回復したことになり、経済回復が順調に進んでいることを示している」と強調した。
失業者への給付制度を3月末まで延長
連邦政府は11月10日、新型コロナウイルス関連の経済支援策のうち、12月末に期限を迎える失業者への給付制度を2021年3月31日まで延長すると発表した。この制度は、失業手当などの特別給付受給者に対して、1人当たり隔週250オーストラリア・ドル(約1万9,000円、豪ドル、1豪ドル=約76円)を支給するもので、延長後の2021年1月1日以降は、支給額を隔週150豪ドルに減額する。
(住裕美)
(オーストラリア)
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