外国投資家評議会、「投資環境白書2020」を発表

(セルビア)

ウィーン発

2020年11月26日

セルビアの外国投資家評議会(FIC)は11月19日、投資環境の改善要望をセルビア政府に提言する「投資環境白書2020PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」の報告会を実施した。現在、FICの会員には120社以上が登録し、会員企業による投資額は360億ユーロを越える。

毎年恒例となっている報告会だが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響から参加人数を制限し、マイケル・ミッシェル新FIC会長と、セム・ファブリッツィ駐セルビアEU代表、アナ・ブルナビッチ首相、ゾラナ・ミハイロビッチ・エネルギー・鉱業相のみが出席し、会員向けにはインターネットを通じて配信した。

ミッシェル新FIC会長は「2020年の白書は前年までのものとは全く異なり、焦点は改善評価指標ではなく、新型コロナウイルスの影響を要約したものになった」と述べた。また「セルビア政府がEU加盟交渉を継続・加速し、持続可能な財政健全化と現行法の改善に取り組むことを期待する」と述べるとともに、「最優先改革事項はデジタル化の促進、税制、労働、検査、食品安全、インフラと不動産、健康、破産処理、外国為替と電子商取引を中心に構成している」と述べた。

白書の編集者のミロリュブ・ラブス氏は「『新型コロナ禍』のビジネス環境における改善事項として、59部門に対して327の勧告を行っている」と述べた。その中でも最も緊急に改善すべき項目は、(1)個人情報保護、(2)貿易、(3)不動産(抵当と住宅ローン)、(4)公共調達手続き、(5)実質的所有者の中央登記の分野だと発言した。また「セルビア経済はEU経済と高度に結びついており、EU経済が早く立ち直らなければ、セルビアが立ち直っても何の価値もない」とも語った。

ブルナビッチ首相は、3~4月の新型コロナウイルス感染第1波の際、FICの会員企業による金銭的支援や必要医療器材などの寄付に加えて、最高水準の生産と従業員の雇用を維持したことに対し謝辞を伝えた。

(鈴木秀男)

(セルビア)

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