マハーラーシュトラ州、デリーなどからの入境に制限
(インド)
ムンバイ発
2020年11月27日
インドのマハーラーシュトラ(MH)州政府は11月23日、感染拡大が進むデリー都市圏などからの入境に対し、PCR検査の陰性証明書保持を条件とするなどの制限を設けることを通達した。同通達は11月25日から施行されている。
通達では、特定州からMH州への国内航空便、鉄道、陸路による入境に対し、それぞれに標準作業手続き(SOP)を定めている。日系企業関係者の利用が多い、国内航空便のSOPの主な内容は以下のとおり(その他の移動に関するSOPは添付資料を参照)。
- デリー都市圏、ラジャスタン州、グジャラート州、ゴア州からの移動に際して、全ての乗客は搭乗前にRT-PCR検査の陰性証明書を保持している必要がある。空港当局は搭乗前の乗客に提示を求める。
- 検査のサンプル採取はMH州への到着予定時刻から72時間以内に行われたものでなければならない。
- 陰性証明書を保持しない乗客は、空港において自費でPCR検査を必ず受診しなければならない。
- PCR検査を受診した場合のみ、乗客は帰宅を認められる(注)。また、空港で検査を受診した乗客の接触に関する情報や住所は、陽性だった場合に備え、空港当局が収集する。
- 陽性が判明した乗客は、従前のSOPにのっとり対処される。
なお、在ムンバイ日本総領事館が空港関係者に確認したところ、国際線でインドに入国し、上記の州を経由する場合も、国内航空便移動と見なされるとのことだ。
MH州では最近、感染拡大の減速が見られていたが、インド最大の祭事ディワリ後、徐々に、感染者数は増加に転じつつある。ムンバイ市は「(検査に対する)陽性率は安定している」とするが、再び急激な感染拡大が起こり得るとの懸念が広がっている。州政府はこのディワリ後の患者数増加を受け、しばらく様子を見た上で厳格なロックダウンの再導入も検討していると報じられている(「タイムズ・オブ・インディア」紙11月23日)。州政府は、感染者数が増加しているデリー都市圏などからの人の移動を制限することで感染をコントロールしたい構えだ。
(注)実際には、担当係官などの裁量により、検査結果に応じて、そもそも搭乗を認められない場合も考えられる。従って、国内線での移動に際しては事前の陰性証明書の取得が強く勧められる。
(比佐建二郎)
(インド)
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