アリババが武漢市に華中本部を建設

(中国)

武漢発

2020年11月10日

アリババ集団(以下、アリババ)は11月2日、湖北省武漢市に、中国中部地域(華中)の地域本部および産業コミュニティ基地建設プロジェクトの着工式を開催した。同プロジェクトの敷地面積は4万4,700平方キロメートルで、アリババの関連企業や商業施設などが入居する。総投資額は55億元(約825億円、1元=約15円)となる見込みで、2026年に完成の予定。アリババは武漢市に拠点を構えることで、2億以上の人口を抱える華中地域でのビジネス展開を積極的に進める。

王忠林武漢市書記は、アリババの武漢市に対する復興支援に謝意を述べた上で、「産業のデジタル化は時代の潮流で、武漢市におけるデジタル経済の発展や新型スマートシティの創出、都市管理の効率とレベルの向上につながる」と期待を示した。また、アリババの張勇CEO(最高経営責任者)は「武漢市はアリババの発展戦略において重要な場所で、デジタル分野におけるアリババの強みを生かしながら、武漢市の経済発展をサポートしていきたい」と述べた。

武漢市は物流ハブとしても強みを持つ

アリババが武漢市に華中本部を建設したのは、エリアの物流ハブ拠点として武漢市が最も適していたからだ。武漢市は、北京市や上海市、広州市、重慶市といった大都市の中間地点に位置し、内陸都市でありながら港もある。長江中流域で最大のコンテナターミナルである陽邏港(武漢新港)は、鉄道輸送と水運の連携におけるモデル基地となっており、総合保税区なども整備されている。武漢市は11月1日に国家発展改革委員会から「港湾型国家物流ハブ建設都市」の承認を受けており、今後、武漢市は内陸部における物流のハブ拠点としての発展が期待される。

写真 アリババ華中本部の建設現場(ジェトロ撮影)

アリババ華中本部の建設現場(ジェトロ撮影)

(片小田廣大)

(中国)

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