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ドイツ経済界、RCEP署名にEUのさらなる自由貿易協定拡大に期待感、中国への警戒感も

(ドイツ、ASEAN、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)

デュッセルドルフ発

2020年11月25日

11月15日に交渉国のうちインドを除く15カ国が署名した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定(2020年11月16日記事参照)について、ドイツでは自由貿易促進の動きとしての期待とともに、中国のアジア地域における存在感上昇に対する警戒する見方も出ている。

ドイツ産業連盟(BDI)は11月17日、執行委員会のメンバーであるウォルフガング・ニーダーマーク氏のコメントとして、「RCEPは、自由貿易および地域の経済統合への強い政治的シグナルとなる。アジアで生産活動を行うドイツ企業にとってもメリットとなる」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。また、RCEPの交渉で、中国が同地域における政治的リーダーシップのほか、世界の大国としての役割を強く打ち出したと述べた。同協定の意義については、環境基準や社会的基準などの項目を含んでおらず、EUの包括的な自由貿易協定のように野心的なものではないとしつつも、アジア太平洋地域の経済的統合に重要な一歩だとした。また、EUには、アジア地域との間の通商戦略について差別化が求められるとし、EUの目指す経済連携協定は現代的かつ野心的な一方、批准に向けた不確実性がある、と各国に受けとめられている中、EUの交渉の進め方が相手にとって魅力的か検証する必要があるとした。

また、ifo経済研究所のクレメンス・フュースト所長は「EUは、アジア諸国との貿易協定を拡大するとともに、米国のジョー・バイデン新大統領に対し自由貿易協定に関する交渉再開を早急に提案すべきだ」とコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同氏は、RCEP参加国は、参加国間で個別に既に自由貿易協定を有している部分もあり、「RCEP自体の短期的な経済的重要性は限定的」との見解を示す一方、欧州からの輸出製品についてはRCEP加盟国内企業の製品に置き換えられる可能性があると指摘。さらに中期的には、非協定加盟国から同地域への市場アクセスがより困難になる可能性があるとしている。フュースト所長は「この合意により、中国は戦略的に(欧州よりも)規則や基準を設定するのに優位な立場となる」とし、標準設定の点で中国に後れをとることに警戒感を示すとともに、今後、EUによるアジア地域との貿易協定交渉を加速すべきとした。貿易政策の観点からは、本合意により、米国EU間の自由貿易交渉の再開へのきっかけとなる可能性もあるとした。

(森悠介)

(ドイツ、ASEAN、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)

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