ベルリン・ブランデンブルク空港、9年遅れで開港
(ドイツ)
ベルリン発
2020年11月09日
ベルリンの新空港として、ベルリン・ブランデンブルク空港(BER)が10月31日に開港した。フランクフルトとミュンヘンに次いでドイツ国内で3番目の規模の国際空港となる。ベルリンには、旧西ドイツ側にテーゲル空港、旧東ドイツ側にシェーネフェルト空港という2つの小規模な空港があったが、テーゲル空港は閉鎖となり、シェーネフェルト空港は第5ターミナルとして運用が継続される。
1996年に連邦政府と州政府は、東西分断により複数カ所に立地していた空港をシェーネフェルト地域に集約することで合意した。当初、2011年の開港を予定していたが、防火設備に構造的な不備が判明するなど、工期が複数回にわたって遅延し、9年遅れての開港となった。
2004年の計画時に見込んだ乗降客数はその後、航空機の大型化により旅客輸送量が増加するなど、計画当初の予測値から大幅に増加した。これに伴い、施設の広さは22万平方メートルから、36万平方メートルに拡張された。工費も、最終的に59億ユーロと当初計画の19億ユーロから約3倍になった。今後は、「新型コロナウイルス危機」により、収益が見込んだ水準に届かないことが予想されているため、連邦政府による助成金(9,880万ユーロ)と貸付金(2020年:最大2億100万ユーロまで、2022年:最大5億5,200万ユーロまで)を受けて運用する予定だ。
テーゲル空港とシェーネフェルト空港では合計2万人が雇用されていたが、新空港では今後15年で約4万人の雇用が創出されると見込まれている。開港式に出席したアンドレアス・ショイアー交通・デジタルインフラ相は、国際ハブ空港としての期待を示した。
(中村容子)
(ドイツ)
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