新型コロナ感染危険レベル評価制度を導入、制限緩和の見通しを提示
(チェコ)
プラハ発
2020年11月18日
チェコのヤン・ブラトニー保健相は11月13日、新型コロナウイルス感染状況の評価システムを発表した。これは、感染状況とこれに伴う措置に関して、国民の現状理解度を高め、さらに措置の緩和あるいは強化の見通しを立てることを可能にすることを目的として、以下に挙げる4点の評価基準により感染危険レベルを0~100の感染指数で示すものだ。
- 過去14日間における人口10万人当たりの新規感染者数
- 過去14日間における65歳以上の人口10万人当たりの新規感染者数
- 基本再生産数
- 過去7日の実施検査に対する陽性率
このうち1.と2.については最大20ポイント、3.と4.は最大30ポイントが配分され、その合計ポイントにより感染危険レベルが5段階に分けられており(20点以下で最小のレベル1、21~40点でレベル2、41~60点でレベル3、61~75点でレベル4、76~100点で最大のレベル5)、適用される移動制限や営業制限などの措置の指針がレベルごとに規定された(添付資料表参照)。
レベルの移行は、レベル引き上げの場合には3日間、引き下げの場合には7日間、変更先となるレベルの基準を満たす状況が継続した場合に行われる。
感染指数は11月16日から毎日更新され、保健省の新型コロナウイルス感染状況ダッシュボードで公表されている。11月16日現在の感染危険度は70ポイントで、これはレベル4に当たる。一方、現在施行されている感染防止措置はレベル5のものに当たることから、保健相は、11月11日から確認されているレベル4の状況が7日間継続すれば、同システムに従い通学制限、集会制限などの措置の緩和を提案するとの意向を明らかにしている(「チェコ通信」11月13日)。
チェコでは、11月4日に1日当たりの新規感染者数が1万5,727人と過去最多を記録したものの、以後は減少し、7日以降は1万人未満に抑えられている。また、基本再生産数も0.8に低下した。従って、同システムは感染防止措置の緩和の目安として活用されることが期待されている。
なお、同システム発表に先立つ11月11日、教育省は既に通学制限の一部緩和を決定した。これにより同月18日から、初等教育機関の1、2年生に対して、リモート授業から通常の授業へ戻ることが許可された。
(中川圭子)
(チェコ)
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