中国政府、介護ヘルパーを含む職業技能教育の強化に関する通知を発表

(中国)

大連発

2020年11月06日

中国人力資源・社会保障部など5つの部署は10月22日、「健康養老職業技能教育計画に関する通知」を発表した。ヘルスケア、介護、家事代行サービス、乳幼児ケアに従事する人材向けの教育を強化するとともに、人手不足の解消や技能レベルの向上を目指す。

同通知では、2020年からの3年間で500万人以上(うち、介護ヘルパーは200万人以上)の教育を目標に掲げ、とりわけ実務能力の訓練に重点を置くとした。介護分野においては、要介護・認知症の高齢者向けのケア、リハビリサービスなどに関する教育を強化する。

教育を実施するのは、学校、企業、介護施設、公共教育施設などで、企業による学校の設立、教育機関における学生の募集・育成の拡大を積極的に呼び掛けた。また、国レベルの高技能人材育成拠点を国内に10カ所以上、整備するとした。

各地方政府に対しては、同通知で触れた人材教育を重要な民生事業として位置付け、各地での教育の実施、育成補助金の制定、宣伝などの推進を求めた。なお、介護ヘルパー、介護施設の院長、高齢者ケアに従事するソーシャルワーカーの育成人数については、各地域の2019年末現在の60歳以上の高齢者が中国の総人口に占める割合に基づいて決めるとした。

介護人材不足は深刻

中国人力資源・社会保障部によると、中国で介護を必要とする高齢者数は約4,000万人とされている。現在、ヘルパーの数は30万人にとどまっており、介護分野は人手不足が深刻だ。中国政府は、高齢者事業を管轄する民政部だけでなく、教育部、国務院弁公庁などの部門でも介護分野に関連する介護人材の育成策を取り上げ、今後、取り組みが一段と強化される見込みだ。

(呉冬梅)

(中国)

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