テキサスなど米南部、大統領選、議会選とも共和党勝利

(米国)

ヒューストン発

2020年11月05日

米国南部各州では、11月3日の大統領選挙、連邦議会選挙ともに共和党が勝利を確実にした(注)。特にテキサス州では、事前に各選挙で接戦予想が報じられたものの、共和党が民主党の挑戦を退けた。

大統領選では、テキサス州でドナルド・トランプ大統領が586万票(得票率52.2%)と、民主党候補のジョー・バイデン前副大統領の520万票(46.3%)を上回った〔CNNの開票速報(米中部時間4日午後6時、開票率96%)〕。テキサス州は、選挙人38人とカリフォルニア州の55人に次ぎ多い。共和党陣営は「テキサスは接戦州ではない」とし、トランプ大統領は「石油も銃も信仰も望まない民主党はテキサスでは勝てない」と、選挙前から勝利を確信していた。

テキサス州の大統領選で、共和党は11連勝。民主党の勝利は、1976年にジミー・カーター候補(民主党)が、当時のジェラルド・フォード副大統領(共和党)を破ったのが最後だ。ただし近年、都市の人口、若者、ヒスパニックが増え、民主党支持層が増す中、共和党にとりテキサス州は必ずしも安泰の地ではない。同州では、歴代共和党候補のほとんどが民主党候補に2桁ポイント差で勝利してきたのに対し、2016年選挙のトランプ候補とクリントン候補の差は9ポイントに迫り、今回は6ポイントほどへさらに縮まっている。

テキサス州では、期日前投票だけで2016年選挙時の総投票数896万票を上回る900万票以上が投じられ、合計は最多の1,120万票超に上った。郡人口で全米3位(471万人)のハリス郡(郡庁所在地ヒューストン)では、新型コロナウイルス対応で、投票者が車中でポータブル端末を使い投票できるドライブスルー投票を採用。期日前にはドライブスルー投票で12万7,000票以上が投じられた。これに対し、共和党関係者が本方式での票の無効化を訴えたが、州最高裁は11月1日にこの訴えを棄却し、これらの票が無効化を免れた一幕もあった。

テキサス州の連邦上院選では、上院共和党の前院内幹事の現職ジョン・コーニン上院議員が、元米空軍パイロットの民主党新人M・J・ヘーガー候補を破った。民主党は、1988年のロイド・ベンツェン上院議員(当時)再選以来の同州での勝利を目指したが、かなわなかった。

(注)アーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピ、オクラホマ、テキサス各州の開票状況は添付資料表1~表3参照。

(桜内政大)

(米国)

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